ふたりの瞳の先に…

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「ここが愛の巣かぁ…」

「か、佳奈！」

同棲をし始めて初めての日曜日、渉の仕事の時間に佳奈を呼んだ。


「毎日、ラブラブなんじゃないの？」

「そ、そんなこと！渉も夜遅いから…」

「でも、待ってるんでしょ？」

「う、うん…」


みるみる赤くなるあたしに笑う佳奈。

そりゃね。最初だし？
渉は確かに帰りが遅いけど、あたしは夏休み中で幼稚園いく日もいつもより遅いから待ってるのは苦じゃないし。

むしろ、会ってお互いのぬくもりを感じる時間が一番幸せなの。




「本当ラブラブだね！羨ましい〜」

そう言った。






「無理！」

佳奈が強く言い放った。

原因は…

「なんで私も行くの？(バーベキューなんてさ、Aと横尾くんラブラブなんだし2人で行ってきたらいいじゃない？」


「ラブラブだからいいってものじゃないよ？ほら藤ヶ谷くんやえりかちゃんもくるの！ねー？一緒にいこうよ！」


「えりかちゃん？きて大丈夫なの？」


佳奈の言葉にドキッとする。


だって、えりかちゃんは…


「うん！大丈夫だよ！それより行こう？」



ねかなか首を縦に振らない佳奈。

作戦ばれてるのかな？


「みっくんがいかないなら行く！」


佳奈の言葉に固まるあたし。


「『ま、まってー！作戦がぁぁぁ！』って顔してるよ？わかりやすいよね。まー、行ってあげてもいいよ」



佳奈が優しく微笑んでくれた。


「それより、元カノに取られないように頑張ってね！」


佳奈の言葉がさっきからチクチク胸を刺さる。



えりかちゃんは、高校の同級生。


おっとりしてて落ち着いてて大人な感じだった。
そして、渉の元カノ。

お友達で会おうって呼びかけたらその中に、えりかちゃんがいた。
あたしもえりかちゃんと仲良かったから嬉しかったけど……。

渉は再会したらどんなことを思うんだろう？



そんなことを考えていた。

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