ふたごの片寄

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遅刻寸前、チャイムが鳴り響いたと同時に2人で教室に飛び込む。




「『おはよー！』」




どういう訳か、双子なのにも関わらずクラスは同じ。

たまにいるよね、あたしたちみたいなふたご。






もちろん席も、前と後ろ。




『いーや今日も疲れた』


「これぐらいで疲れてたらA死ぬよ、そのうち笑」



いや、あなたが体力持ちすぎてるだけ。

思いきり文化部の私と、思いきり運動部の涼太の体力が同等なわけない。






「あ、A！ 今日の部活見に来なよ。 Aの好きな先輩、今日めっちゃ活躍すると思うから」


『え、行く！ 楽しみ〜！』






授業が始まったというのに、

後ろからツンツン、と指してきては嬉しいことをいう涼太。



、、、とても学年でトップの方の頭を持つ人物とは思えない。






それよりも！

先輩に会える...//






涼太のバックアップの元、話せる先輩。


普段は到底、

話せるような状況なんかじゃない。






なぜなら

周りにファン的な女の子たちが、その先輩を取り巻いてるから。



あたしはその中に入る気なんて、満更ない。=こうなる。






つーまーりー。

あたしの優しい優しいお兄さんは、あたしの恋を手伝ってくれてる、というわけだ。





『あぁもう涼太優しすぎてヤバい。マジ好きだわ』


「その言葉は先輩のためにとっときなよ笑」





ほいほい。

そうですね、はい。







これで一日頑張れそ。


後ろから「ノート取れよ」の声が聞こえてこようが

寝てるとこを教科書でツンツンされようが

寝顔を撮られようが




頑張れるわ、涼太のおかげで。




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