あいことば。〜短編集〜【ハイキュー】【黒子のバスケ】

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「で？何でそんな格好してる訳？」

「センパーイっ！！聞いて下さいっスｯ！」


久しぶりに会った後輩は、

高校時代と何ら変わらず、

相変わらずの五月蝿さだ。


「向かい合って座ってんだから、聞こえてるよ。で？」


ニット帽にサングラス。

本当にこいつ、モデルかよ？と思える程。

不審者にしか見えないな...。


「家の前に、女の子が待ち伏せしてて...。」

「最近、女の子が怖いッスよ〜...。」


自慢か、リア充。

と思えるのだが、これを言うと彼が怒るので。


「はぁ...。んで？」

「このままだと、彼女も作れないッス...。」


「帰るわ。じゃあね。」

彼氏の一人も出来たことの無い私への嫌味か。


「何でッスかー？！」

「嫌味かと思ってね。」


いや、先輩の彼氏は幼女趣味って疑われるんじゃ...。


「ん？何か言ったかい？」

「先輩が男らしいから、彼氏の一人も出来ないんだと思うッスよ？？」


誤魔化したな、こいつ..。

まぁ、彼も苦労しているのだから、許そうじゃないか。


「今更、彼女なんているの？もうさ、適当にファンの子捕まえればいじゃん。」

家の前にも居るような子達でしょ。

いいじゃん、ストーカー系彼女。

流行るんじゃない？


「嫌っスよー。」

絶対、束縛されそうで...。


「文句言うなっ！選べるだけ良いと思え！」

私なんか、お嫁に貰ってくれるって人にも出会えないのに...。

もう、二十歳過ぎてるんだよ？

彼氏の一人もできたこと無い。ってのはね...。


「オレは、外見じゃなくて中身を見てくれる人とお付き合いしたいんスよ！」

先輩みたいな...。


「そんな子、そうそう居ないでしょ。面食いの子が多い世の中よ？」

あぁ、イケメンって辛い。

「可愛い黄瀬、可哀想な黄瀬。」

来世では幸せになって。

ブサイクで。


「何がッスか？！それに、可愛いより格好いいって言ってほしいッス！！」


「黄瀬くん、格好いいー。」

来世では幸せにねっ！


「棒読みは酷いッスよ！！」

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