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はいいろ。《賢者》【灰崎 祥吾】 ページ29

彼のことを知ったのは、上級生となった春のことだ。


彼は、その態度や女遊びの悪さから有名で、

上級生となり浮き足立っている同級生の間では、

彼の噂が広まっていた。


悪いことしか言われていない彼の噂を聞いて、

これは面白そうだ、と少しだけ興味を持ったのだ。








訪れようと思う人がいない空き教室。

彼はそういう場所に好んで居た。


「また、ここに居たんだね。」


ゆるりと口元に弧を描いて浮かべた笑顔。

彼は私のそれを「綺麗だ」と褒めるのだ。


本当に綺麗なものを知らないから。


「...ヨォ、和花。」


化粧で、綺麗であろう顔を醜く作り変えた女の子と戯れていたのだろう。

彼女の服の前側が乱れている。

ゆっくりとボタンを掛け合わせて、

彼に手を振って出て行った彼女は、

きっと彼のコイビトなのだろう。


別に私は気にしない。

彼が誰と遊ぼうが、誰と身体を重ねようが、

気にしない。


なぜならば、彼には私が必要で、

私にも彼が必要だからだ。


あのような子一人で、壊されるような関係ではないのだ。


私は才能と愛情に満たされていて、

彼は純粋で真っ白な心で溢れている。


彼には『愛』が足りなくて。

私には『純粋な心』が足りなくて。


お互いに足りないモノを、互いに教え合って、支え合って。

そうやって、私達はこれからも過ごしていくのだ。


『愛』を知らない彼にたくさんの『愛』を注ぎ込んで、

無くしていたピースをはめ込むように、

私たちのパズルは完成していく。


せっかく完成したパズルを壊したくないでしょう?


彼は私に依存して、私は彼に満たされて。

そういう風に歪んでいる関係で、

コイビトとも言えるような関係ではない。


一蓮托生 運命共同体。


私たちは二人で完成品なのだから。








歪んだ恋とも言えないようなモノの延長線に、

何があるのかなんて分からないけれど

私は『それ』を手のひらでそっと包み込むかのように、

心の底から愛したいと思うのだ。

はいいろ。《見解》【灰崎 祥吾】【花宮 真】→←はいいろ。《愚者》【灰崎 祥吾】



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設定タグ:短編集 , 黒子のバスケ , ハイキュー   
作品ジャンル:恋愛
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旋律(ばく) - うっでぃさん» そしたら送ってね笑ですね笑今は私のことを一途に思ってくれてるもんね笑笑信じてるよ!うっでぃ笑← (2018年1月5日 15時) (レス) id: 11329ddbf5 (このIDを非表示/違反報告)
うっでぃ(プロフ) - 旋律(ばく)さん» 続きはご想像にお任せしますー...笑 考えたら、また続き書くよ 笑笑 オリジナルはご察しの通りです。過去の思いだけどね!! (2017年12月16日 23時) (レス) id: f04ffde496 (このIDを非表示/違反報告)
旋律(ばく) - うっでぃさん» 続きが気になる笑笑ここからどーなるのって笑考えたらまた教えてね!笑オリジナルはあやつかな??笑 (2017年12月16日 22時) (レス) id: 11329ddbf5 (このIDを非表示/違反報告)
うっでぃ(プロフ) - フランさん» リクエストありがとうございます!時間はかかると思いますが、精一杯書かせていただきますね!! (2017年12月14日 20時) (レス) id: f04ffde496 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 男前なレオ姉書いて下さい! (2017年12月14日 0時) (レス) id: 0b24153201 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うっでぃ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年8月11日 15時

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