＃百五十振り目 ページ7
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(...何が起こっている...？)
何の拍子もなく、突然攻撃の手を緩めた加州の豹変に、山姥切も山姥切で困惑していた。
一度、距離を置く。
この不可解な時間の中で、どうにか呼吸を整えておきたかった。
時は刻一刻と過ぎていく。
このまま何もないまま終わるのなら、さっさと外の様子を見にいきたかったのだが。
＿＿＿そう簡単に、加州が離してくれるはずがなかった。
「そうだ...。打刀で、初期刀五振りの内の一人でもあるあんたが、一向に顕現しないって、主が苛々してたんだ...。けど、何で？俺はあんたに会ったことがある。会話をした覚えもある。一緒に刀を振るった記憶も＿＿＿」
「！？」
「おかしいんだ。どこかで間違ってる。記憶が食い違ってる。いないはずなのにいる。知らないはずなのに知ってる。
山姥切国広...。あんた一体、
..."誰"？」
がつん、と頭を殴られたかのような衝撃。
山姥切のそれをさらに増強させたのは、加州の瞳に宿る混乱と、恐怖だった。
己が生きてきた道がどこかで分岐してしまい、あったはずの到着地点が消失してしまった。
...そう例えると、やけに難しく聞こえる。
ようは、Aの母である明留が主であった頃の記憶＿＿影華に奪われた記憶だ＿＿と、影華が本丸の主になってからの記憶が噛み合わず、加州の中で暴れている、と言えばそれが一番正解に近いだろう。
つまり。
(ヤツが奪った男士たちの記憶は...。完全ではなかったのか？)
よく考えてみれば、確かにそうだ。
山姥切国広という刀は、影華が記憶を奪われて以降、本丸に姿を現した事は一度もなかった。
(自分の神域に何年と閉じ籠っていたのには、一種の凄まじい頑なさを感じる。)
...だから、影華が本丸を襲撃するまでの記憶を刀剣男士たちが「全て」、失くしてしまったとするならば、本丸の刀たちが山姥切の事を覚えているのはおかしいだろう。
だが、彼らは"覚えていた"。
「ようやく帰ってきたのか」と、山姥切を歓迎した。
お前が、本丸の初期刀なのだと。
お前が、近侍なのだと。
彼らは、口を揃えて言っていたではないか。
まさに、記憶の食い違い。
ピースが嵌るはずもない。
(本人達が気づいていないだけで、明留が主だった頃の記憶は、断片的に残っている...？)
「ねぇ、あんたは知ってるんでしょ？一体何が＿＿＿。主と俺たちの間で、何があったんだよ！」
刀を鞘にしまい、加州はずいと山姥切に近づいた。
己の出生に関わる事だ。
...必死になって当然だろう。
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＊紫苑＊(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！続編完成しましたよ！(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…！(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください！よろしくお願いします！ (2020年4月3日 21時) (
レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください！！！！大ファンです！ (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります（笑）楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます！あと少し、よろしくお願いします！！ (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております！かなり長くなってしまって申し訳ない！更新頑張ってください！！！ (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します！！めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi116
作成日時：2019年5月10日 18時
