＃百八十八振り目 ページ45
・
主―――。
今までは、その対象は明留だった。
...記憶を奪われたことで一時期影華になったこともあったが、それはまやかし。
そして、今。
本当の主であった明留から言い渡されたのは、事実上の審神者の代替わりだ。
つまり。
＿＿＿俺の主は、Aただ一人。
彼女に賭けることで初めて、明留に救われたこの命を、有意義に燃やすことが出来る。
「主って...。影華さんのことか？何が言いたいんだあんた...」
もちろん、大倶利伽羅の話を聞く薬研に、明留とAの記憶はない。
何が言いたいか分からず、頭が痛そうに小首を傾げる。
全てが終われば、分かることだ。
真実を明らかにして初めて、この戦は終わる。
「お前は、全力で怪我人の救護をしていればいい。...ここは、頼んだ」
「...旦那...」
薬研の制止をゆっくり振り払い、立ち上がる。
立て掛けてある刀を手に取り、肩に担いだ。
呆然と、大倶利伽羅の背を見つめる薬研。
...が、程なくして、はっと我に返ったように何かを掴み、大倶利伽羅に投げて寄越した。
「分かった、あんたがそこまで言うなら、絶対に無理はしないことを条件にして外に行くのを許可するよ！でもほら、これを忘れちゃ、あのお嬢さんに叱られちまうぜ！」
「...！」
反射的に受け取ったのは、
＿＿＿Aが折った、手製の竜の折り紙。
〔御守り代わりに、ね！〕
...そう言って笑うAが、脳裏をよぎった。
「......」
細かい部分が折れることの無いように、そっと折り紙を懐にしまう。
明留が言っていたではないか。
Aはまだ、死んでいない、と。
「...あぁ。礼を言う」
「俺っちも、
＿＿＿次あんな怪我してきたら、もう手当てしてやらないからな！」
「...気をつける」
そんな薬研の危なっかしい言葉に見送られながらも、広間を後にした。
とん、とん、と廊下を進み。
(Aも、勝利も仲間の記憶も、...全部、獲ってやる)
静かながらも確かな闘気をその瞳に宿らせ、大倶利伽羅は歩調を早めた。
...彼は、気づかない。
彼の懐の中で、御守りが微かな光を放ったことに＿＿＿。
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＊紫苑＊(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！続編完成しましたよ！(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…！(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください！よろしくお願いします！ (2020年4月3日 21時) (
レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください！！！！大ファンです！ (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります（笑）楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます！あと少し、よろしくお願いします！！ (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております！かなり長くなってしまって申し訳ない！更新頑張ってください！！！ (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します！！めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi116
作成日時：2019年5月10日 18時
