＃百八十六振り目 ページ43
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「Aは、今この時も必死に影華の神域の中から脱出しようと躍起になって四苦八苦してるわ。けど、それももう終わる」
「！」
「あの子は、もう勝機を掴む寸前のところまで来ているから。それだけは忘れないで」
＿＿＿A一人でじゃ、無理だったことだろうけどね...。
ここではないどこか遠くを眺めながら、明留は呟く。
「あと、もう少しなの。...大倶利伽羅」
「...何だ」
「まずは、Aをここまで導いてくれてありがとう。あの子の事を思い出してくれて、ありがとう。伊達の刀たちの支えがなかったら、Aはきっと折れていたわ。周りが全員敵だなんて...。きっと、私でも無理だもの」
「礼には、...及ばない」
至極当然のことをしたまでだ。
主の娘。
例えそうでなかったとしても、大切な存在であることに変わりはない。
己が守りたいと思ったものを守り通す。
それが刀の、本懐なのだから。
「ふふ、本当に変わらないわね。じゃ、せっかくだし言わせてもらうけど」
「...？」
「あなた、こんなところで油売ってて良いの？」
その言葉に、うつむく。
良いはずがない。
意識が途切れる寸前、...光忠の声が、今も鮮明に頭に残っている。
"向こう"には、まだ仲間がいる。
＿＿＿勝機を掴もうと躍起になっているらしいAはまだ、戦っている。
「主、あんたには悪いが」
「...言ってごらん」
「俺はまだ、向こうにやり残してきていることがある。...今こうして、あんたと同じところにいる訳にはいかない。別れるのは名残惜しいが＿＿＿、！」
ぱちん、と。
威勢のいい音が、辺りに響く。
明留の両手が、大倶利伽羅の頬を叩いて挟んだ音だった。
「な、何を、」
「それでこそあなたよ、大倶利伽羅！私のことなんてほっときなさい。今、あなたが最優先に考えなきゃいけないのは、Aなんだから！」
「っ、いいからこの手を＿＿、」
「...私はもう、あなたたちの主じゃない。向こうに帰ったら、皆にこう伝えて」
「...！」
ふっ...と明留との距離が遠くなった。
これでもう、彼女と会える事もきっとないだろう。
それでも、不思議と負の感情はなかった。
「あなたたちの主は、A。...私の後継者は、あの子よ！」
「...あぁ。しっかり伝えておこう」
ゆっくりと立ち上がり、明留に背を向け歩き出す。
今までの旧き主も、これから生まれるであろう新しき主も。
...竜王は、心の底から愛していた＿＿＿。
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＊紫苑＊(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！続編完成しましたよ！(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…！(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください！よろしくお願いします！ (2020年4月3日 21時) (
レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください！！！！大ファンです！ (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります（笑）楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます！あと少し、よろしくお願いします！！ (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております！かなり長くなってしまって申し訳ない！更新頑張ってください！！！ (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します！！めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi116
作成日時：2019年5月10日 18時
