＃百六十八振り目 ページ25
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長いようで一瞬の出来事。
雨が降るが如く注がれる石を弾くのに、ここまで苦戦したのは初めてだった。
何せ、もし頭にでも当たろうものなら致命傷になるほどの大きさだ。
仮に頭でなくとも、たった一つ命中するだけで大きなダメージになるのは予想がつく。
あまりにも数が多いこの投石を全て回避し切った暁には、Aにしっかり評価してもらわなければ割に合わないな、と苦笑いを浮かべた。
そして＿＿＿。
刀装の力によって生み出される攻撃には、時間制限がある。
特にこの種の「投石兵」は消耗が激しく、扱いに関しては苦手な者が多いと聞く。
長いようで、一瞬。
その表現はまさしく今の状態であり、的確に的を射ていた。
最後の一投を、キィン...、という一際甲高い音で弾き返し。
山姥切は何よりも先に、己の背後を振り返った。
「おい！！下で待機していろと言っただろう！納得したんじゃなかったのか！？」
「なに、やはり若者に活躍の場を奪われるのが少々妬ましくなってな。ちょっとしたじじいの出しゃばりだ、許してくれ」
「この数の軍勢に合い見える機会も中々少ないしな！堪能した方が得だろう？」
「あんたらな...！」
和やかな笑みを浮かべながら二人は＿＿＿言わずとも分かるだろう、三日月と鶴丸だ＿＿＿美麗に刀身を鞘に納めた。
三日月に至っては、ついさっきまで言っていた事と今口にしている事が真逆だ。
まったく持ってこいつらの行動は本当に予想できない...、と首を振りつつ。
今さら無理やり下に戻すのも、何だか馬鹿らしい。
「...これから俺のする事に、口は挟まないでくれ。いいな」
「はっはっはっ、あい分かった」
「右に同じ！」
それだけ言って、山姥切は再び大太刀を省みた。
屈辱に震える四肢(正確には左腕欠落)を見て、それに畳みかけるように嘲笑してやった。
「何だ、そんなものかお前の全力は？」
〔貴ッ様ぁ...！〕
「おお怖、大太刀様がお怒りだぜ...。けど、山姥切も何気に楽しんでるよな？」
「少し黙っていた方が良いのではないか、鶴丸？」
一歩下がった二人のそんな会話が聞こえてくるが構わない。
さぁ、来い。
俺の狙いは分かっているはずだぞ＿＿＿。
ギッ、と先を睨みつけた、その時。
〔...む？〕
何の兆しもなく。
大太刀の体が、"真っ二つに両断された"。
「...は...！？」
「ほほう、面白いことをしてくれるなぁヤツは！」
楽しそうに言う鶴丸の声が、妙に頭に響いた。
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＊紫苑＊(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！続編完成しましたよ！(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…！(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください！よろしくお願いします！ (2020年4月3日 21時) (
レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください！！！！大ファンです！ (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります（笑）楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます！あと少し、よろしくお願いします！！ (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております！かなり長くなってしまって申し訳ない！更新頑張ってください！！！ (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します！！めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi116
作成日時：2019年5月10日 18時
