【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃三十一振り目 ページ33

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と、その前に。
このまま話を進めてしまうと、色々と鶴丸の話が分かりづらい部分が出てくる可能性がある。

鶴丸の語りを期待していた人には申し訳ないが、少し、"私からの話"を聞いてほしい。

...私が。
いや、私"でも"話すことができたはずなのに、
それといった機会が無くて話していなかった事があった。



そう。

この本丸の"前審神者"、明留(あける)＿＿＿。

私の母、神薙浅葉について。


自分の生みの親の話なのだから、長くなるに決まってる。

そこは、どうかご容赦願いたい。



私の母、浅葉。

元は、東北の小さな神社(と言っても、どうやら伊達家に関連のある神社らしいが)の巫女さんを務めていた。
昔から脈々と受け継がれてきた、由緒ある神社だ。

私も何度か、行った事がある。

祖父母が神主を務めているので、私とて関係ない訳ではない。


＿＿＿だから多分、これは血筋だったのだと思う。

神に仕える人間。
...それが神を"使役する"人間になったとしても、何らおかしくはなかったという事だ。


小さい頃から霊力が馬鹿みたいに強かった母は、他に類を見せないその力を時の政府に買われ、審神者として生きていくことを決めた。

こればかりは、強制でも何でもない。

母が自ら望んで、決めたことだと。

私は本人からそれを聞いた。


最初こそ、慣れない暮らしに戸惑ったと母は言っていた。




「だって、いきなり喋る狐と一緒に異次元の空間に飛ばされて、言われた通りにしたら刀剣から男の子が顕現したのよ？そりゃあ、最初は驚くわよねぇ〜。それも全員イケメンと来るし」




ホント、びっくりしたわぁ〜、...云々。
「最強」の名とは程遠い、ほんわりした雰囲気で、よく聞かせてくれたものだ。

しかし。
周りに素直に染まり適応する力も、母はずば抜けていた。
(人はそういうことを"図太い"と言う)

審神者就任一ヶ月にして、
政府の重鎮の目を飛び出させるほどの結果を叩き出した。


凄まじい勢いの活躍と、進撃の速さ＿＿＿。


なぜそこまで強いのか？
多くの人は首を捻っただろうが、私が考える理由は主に二つ。


一つは、何度も言うが圧倒的な霊力の強さ。

もう一つは、他の本丸にはない、刀剣男士と母の間に結ばれた"絆"だ。


私が言うのもおかしいが、母は刀剣たちに無償の愛を注いでいたし、そんな母の事を、刀剣たちも誰より尊敬していた。

だから、普通では有り得ない連係プレーを平気で決めてみせたし、他の本丸が手も足も出なかった敵大将を簡単に倒す。


...私だって、みんなには散々可愛がってもらってたしね。




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