【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃十五振り目 ページ17

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やっぱり、そうだ。
少しずつ、私の直感は周りの様子を察知し始めている。

直接的には見えないけど、感じる。

＿＿＿ぴたりと閉じられている襖の奥からぶつけられる、確かな殺意が。
明確すぎて笑えてくるほどに、はっきりと。

...だからきっと、いるのだ。

出てこないだけで、...私がここにいた頃と、同じ面子の刀剣たちが。



そして私に殺意を向けるということは、



目の前の二振りと同じ。



私のことを、"覚えていない"。



...あぁ、そう。



覚えてないんだ。私のこと、誰も気づいてくれない。



ここに私の味方は、いない？



...ふーん.....。




『......清光、長谷部』

「...ホント疑問だよね、何であんたが俺の名前知ってる訳？」

「寒気がする...、今すぐその息の根を止めてやってもいいんだそ、人間」

『......。やれるもんならやってみれば？この年中ヒステリー刀』

「なっ！！何だと...！？」

『絶対、思い出させてやる。その後は、私が直々にあんたらにお説教してやる。
...ちなみにこれ、結構重罪だからね。私みたいな美人のこと忘れるなんて』

「はぁ？何言って＿＿＿＿、ッ！！」




部屋の奥にいるであろう刀剣たちにも聞こえるように、堂々と言ってやった。

宣戦布告だ。
もうどうにでもなればいい。

文字通りの意味で捉えてくれれば、それでいい。

台詞からして、何だかこっちが悪役になった気がしなくもないけど、それでもいい。


......マジで本当に、こればっかりは。


あったまきた...！！


再び、両手に力を込める。
拳の中に蘇る、霊剣の感触。

もう一度、刀の柄を握り締め。

清光と長谷部が動く前に、私が動いた。




『絶対思い出させてやるから...っ、だから今は、ごめん！！』



ザッ！！...と。
霊剣を、私と二振りの間で大きく振った。

軌道上で描かれる、大きな弧。

その光が次第に薄れ、消えた瞬間。




「うわっ...！？」

「これは＿＿＿、結界！？」




いきなりの出来事に、二振りは目を剥いた。


ブワァッ、と、周りが淡い青色に照らされる。
＿＿＿どうやら、成功したらしい。

母さんが昔やってた結界の張り方を、真似してみた。

成功率は50：50だったし、それが刀剣にも通用するかは一種の賭けだったが...。


これでしばらくは、時間を稼げるはずだ。


いつまで持つかは分からない。
だからこそ、急がなければ。




(まずは、こんのすけを探しに行かなくちゃ...！！)




いざとなって、私の前からいなくなりやがったあの狐を、どうしても問い詰めなければならない。

長い廊下を、駆け出した。

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