193.支配 ページ7
〜Chara side〜
なんやかんやでUndyneとFriskは仲良くなれてるっぽい。お茶会を開いて結局楽しんでる3人を、僕達幽霊組はただただ眺めていた。父さんが好きだったお茶の香りを感じながら。
白狼「なぁChara、お前はこのお茶を飲んだことあるだろ?どんな味がするんだ?」
Chara「味か。味は美味しいとしか表現しにくいな……でも優しくて、どこか懐かしい感じがするんだ」
白狼「なるほどな。……ほら、Aが珍しく絶賛するから気になったんだ」
Chara「父さんが毎日のように淹れてたからだと思う。このお茶=父さん、ってイメージがAにもあるんだよ、きっと」
Undyneの話を聞きながらも、たまに手元のティーカップに目を落とすA。優しく微笑んでるけど、どこか寂しそうなその表情。やっぱり、君も思い出すんだね…父さんのこと。
そんなAをじーっと見て、あることに気付く。髪の毛の毛先が…茶色っぽい。Aに栗毛なんてあったっけ?それも毛先だけに。
Chara「ねぇ白狼、Aの髪…」
白狼「ん?あぁ、栗毛だろ?俺もAも今朝気付いたんだが……おかしいよな、急に毛先だけ変色するなんて」
嫌な予感がした。まさかAにも「あいつ」の手が伸ばされているとしたら……。そう考えるだけで、背筋がゾクッとする。この二人の旅が進めば進むほど、「あいつ」の支配は全体に及んできているのかもしれない。
白狼「お前って過保護だよな。Aの些細な変化にもすぐ気付くし、その変化についてそんな真剣な顔をするくらい考える辺り」
Chara「そりゃあね、仮にも僕らは兄妹なわけだし」
白狼「んな兄貴面されてもな……」
にやにやしてる白狼を肘で軽く小突いた。それと同時に、Undyneが立ち上がってFriskをキッチンへと持っていった。一方Aの方はと言うと、苦笑いを浮かべながら二人を見ている。そしてやれやれとため息をついて…ポケットからスマホを取り出した。
白狼「この料理教室が終わるまでまだ時間がありそうだから…一つ昔話をしてやるよ」
Chara「昔話?」
白狼「あぁ。俺たちもそこそこの仲になってきたんだ、自分の過去を打ち明けてやろうかと思ってな。まぁ聞いてて落ち着けるような話じゃねぇが……大丈夫か?」
Chara「…うん、大丈夫」
珍しいな、白狼が自分のことを話そうとするなんて。謎だらけの名無し狼ってイメージがあったのに。
僅かに左右に尻尾を揺らしながら、白狼は語り始めた。自らの「過去」を。
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チョコレート - 面白いです! 更新頑張ってください! 待ってます! (2020年9月9日 21時) (レス) id: 20b2e0e9fd (このIDを非表示/違反報告)
Suwaro - アンダーテールの小説の中でコレが一番好きです!頑張ってください!!! (2019年4月7日 21時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
御影双葉(プロフ) - 零ノ花さん» 零ノ花さんお久しぶりです!一気読みしていただけて嬉しいです!ありがとうございます!! (2019年3月20日 13時) (レス) id: 2bd19868a8 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました!更新頑張ってください! (2019年3月20日 2時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
御影双葉(プロフ) - kさんさん» ありがとうございます!更新頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!! (2019年3月19日 18時) (レス) id: 2bd19868a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御影双葉 | 作成日時:2019年1月1日 1時