【SERVAMP】人見知りちゃんが黒猫を拾ったらこうなった ♯１

０２　椿 ページ21

「サーヴァンプ…？」

そう呟くと、少しばかりジャラリと音を立てて揺れる鎖。

「あー」

「クロ…？」

「だめだ…、ちょっと構えたらもう腰が…」

「腰痛には、蒸しタオルとか気持ちいいですよ」

腰痛を理由に退散しようとするクロの鎖を引っ張りながら、元の位置へと戻す。

「暴力は何も解決しないぞ。ほら、オレ平和主義だし」

「確かにそうだと思いますが、叔父さんが『拳で語り合うのも一理ある』、と言っていました」

「いや何それどこの昔の青春ヤンキー漫画だよ」

「え？現実ではやらないんですか？」

「…ひと昔前はあったかもだけど、今はねーよ」

「でも、『男なら拳で語れ』って言いますよね……」


“サーヴァンプ。
主人(イヴ)と鎖で繋がれている間しか力を発揮できない不便な真祖”


「？」

「しかも、人間の言うこときかなきゃいけないとかめんどくさそ�・�・」

私達の会話を聞いてか、そんな事を言い出す手品師の吸血鬼さん。

そうでした。
戦い(？)の最中でしたね…。

「いや…そうでもねーぞ」

おぉっ！？

「オレが何したって、『こいつがやれって言いましたぁ』って言い訳できるしな。
責任のない人生は最高だ」

「あっ…、デスヨネ」

少しばかり、フォローを期待してしまった自分がいて、只今最高に泣きたい気分です。

『責任のない人生は最高だ』……ですか。

でても、良い声言い切りましたね。クロ…。

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