【SERVAMP】人見知りちゃんが黒猫を拾ったらこうなった ♯１

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「貴方が逃げて、どーするんですか…っ」

薄暗い路地裏。
そこに入って間もない頃、漸くAはクロを止める事が出来た。

「な…何しやがる…はなせ…」

少しの間、２人で攻防戦をしていた。

…が、クロが人型に戻って口を開く。

「オレは、あんなイカれた吸血鬼とは向き合えねー…逃げねーと…」

「おんなじ吸血鬼でしょう？貴方しか向き合えませんよ！」

「オレの知り合いじゃねーのは確かだ。オレとは関係ねー…」

「友達が怪我をしたんです！
あの人を放っておいたら、皆襲われてしまう。誰かが止めなくては…」

Aの言葉に対し、クロは少し顔をしかめて…

「めんどくせー…」

そう言った。

「……っ、

『何も出来ない』 『自分には力なんか無い』
『誰かどうにかして』 『誰か』 『誰か』

…皆がそう言うんですから、私も楽なほう(そっちがわ)がいいです…」

ﾎﾟﾀｯ

Aの大きな瞳から、透明な雫がはらはらと零れ落ちる。

「私は、怖いのが嫌いです。血を見るのも嫌っ。
本当は…、今すぐにでも逃げたい。

……でもっ。

駄目なんですよ。私は逃げたら。

襲われた子も、介抱している子も、

友人なんですよっ…！

こんな私と、ずっと一緒にいて…面倒をみてくれて…支えてくれた。
返しきれないほどの恩がある。

…大切な人なんです！！

だから、逃げられません。

警告、ありがとうございました。

失礼しますっ」

そう言い残し、Aは走り出す。
大切な友人の無事を祈りながら。




クロは、Aが走っていく背中を見つめていた。









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