プロローグ ページ1
私がまだ8歳ぐらいの頃。
私はずっと1人だった。
両親は私が小さい頃に離婚したらしい。
母はいつも家にいなかった。きっと男とでも遊んでいたのだろう。
生きるための食材は何週間かに一度だけ母が置いていった限られたお金を使って何とか生きていた。
そんな私がいつものように1人で公園で遊んでいると1人の男の子が話し掛けてきた。
「何してるの？」
「えっ…？」
その子は薄ピンクの髪色が特徴的な男の子だった。
友達と遊んでいたのか泥だらけの服でその子は言った。
「一緒に遊ぼうよ！」
その一言でずっと独りぼっちだった私の人生が変わった。
暇さえあれば公園に行ってその子と遊んだ。
その子と遊んでいると楽しくて仕方がなかった、寂しくてポッカリと空いた私の心の穴を塞いでくれた。
その子といると世界が凄くキラキラして見えた。
君ともっといたい、もっと遊んでいたい。
いつの間にかそう思うようになっていた。
.
.
だけどいつか別れは来るようで…
私は東京にいる祖母の家に預けられた、10歳の誕生日を迎えてすぐだった。
家にほったらかしにされてることを知ったらしい。
突然のことで私はその子に別れの挨拶も何も出来なかった。
.
.
あれから5年＿
今は都内の高校に通っている。
私は昔のことを思い出しながら小さく呟いた。
「また会いたいな…悠仁くん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひずみ | 作成日時：2021年4月8日 0時
