不良少年Ⅱ (ページ6)

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そうなんだ。拓実が貧しい家庭にいるなんて知らなかったな～…と、ポテトをひたすら口に運びながら考える

星条南高校の中でも比較的穏やかで温厚な北川だから出来るんだろう

元木とか織山とかは、納得いかないことがあるとすぐキレてそうだもん

逆に内村と平塚はミスを連発して怒られてそうだけど

平塚「拓実が星高に通ってるのが不思議なくらいだよね」

織山「まあ、うちって学費安いし」

安嶋「学力なんてなくても入れるからね～。毎年定員割れしてんだから」

青木「そ。Aが転校してきたのも意外だったけど～」

チューッと、ストローでジュースを吸い上げながら広がるトーク

北川も苦労してるのか…と思ったらなんだか胸の奥が熱くなる

普段はそんなところすら見せず、ニコニコ笑ってるだけなのに

なんて考えていると、突然話題が私へと移り変わる

「…え、私？」

平塚「そうじゃん！なんでうちに来たんだよ！」

青木「わざわざうちに転校なんかしてこなくたって。他に選択肢あったでしょ？」

「んー…別に深い理由はないよ、ただこういう不良高校に興味あっただけ」

織山「興味本位でこんなところ来るなんてお前バカだな」

安嶋「ま、今時珍しいもんねー」

平塚の質問にそれっぽいことを返す

本当のことはまだ言えない。言えるわけがない

信頼してるけど…怖いんだ。本当のことを言って皆が離れていってしまうことが…

嘘をついて、胸の奥がチクリと痛んだのは見ないふりをした