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the rookie ll ページ13

「それでは、代表のご誕生日を祝して!」
「「「「乾杯!!」」」」

赤いカーペットに金の装飾。贅の限りを尽くしたパーティーホールに響くのは楽団の奏でる優雅なクラシック。

シャンパンを片手に、しばらく近くの人と談笑をしていると、ターゲットが近づいてきた。

「おや、こんなにお美しい女性は初めて見るなぁ」

どうやら、女好きで目を付けた女に直ぐに手を出す、という噂は本当だったようだ。

「もう、お上手ですね代表」
「君は?」
「黒川財閥の黒川春子と申します。父が忙しいもので、不束ながら娘の私が参加をさせていただきました」

どうぞお見知り置きを、と少し照れた様に言った。
黒川春子本人は、今頃どこか南の島で楽しい一夜を過ごしている事だろう。

「ああ、黒川君のお嬢様か……こんなに美しい娘さんがいるとは羨ましい限りだねぇ。あれ、君は?」

「お嬢様のお付きを務めさせていただいております、安達でございます。」

バーボンが恭しく頭を下げる。

「安達君か。すまないが、この美しいレディに見合う酒をなにか……そうだな、彼女の生まれ年のシャトーか何かを持ってきてくれないかい?」
「かしこまりました。ただいまお持ち致します」

再び頭を下げ、後ろへ下がって行ったバーボンに目配せをした。

本当はそんなもの積んできていないのだろう。
邪魔払いの初歩的な手だ。

「まぁ、そんな高価なお酒、よろしいのですか?」
「君にならどれだけ高価な物をあげたとしても絶対に後悔はしないと、私の勘が言っているのだよ」

さらり、と腰を触られる。

「私の部屋へおいで。今ならとっておきの夜景を見ることが出来る」
私の耳元でそう囁くと、手を取って廊下へ歩き始めた。

バタン、と重々しい音が鳴り、扉が閉まり、暗い部屋にギラギラとターゲットの目だけが光っている。

人気(ひとけ)に当てられちゃったのかしら…実は先程から体が熱くて…連れ出していただけて助かりました」
「そうかそうか…少し横になって休むといい…」
指輪だらけの手が私の身体をまさぐる。
そろそろいい頃合いだろう
これ以上の長居は無駄になる

トッ、

簡単に気絶をさせ上着の内ポケットを探ると、プラチナのロケットが出てきた。
自らの写真を中に入れるとはまた趣味が悪い。
写真を外すと、案の定裏にmicroSDがあった。

「ミッションコンプリート」

極小のマイクにそう呟くと、部屋の扉が静かに開きバーボンが笑みとともに歩んできた。

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よしのん - すごい好きです。応援してます! (2022年4月19日 12時) (レス) @page32 id: e3b8c03485 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!続き待ってます!! (2022年4月18日 19時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいすな - 夢主のキャラ大好きです。新人との関係気になります! (2019年2月16日 22時) (レス) id: a004368014 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者A | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/zero1632  
作成日時:2018年12月26日 7時

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