407話 ゼロの執行人 ページ8
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駐車場に停められていた零さんの車に乗って、辿り着いたのは古びた雑居ビル。
彼のあとについてそのビルの一室に入った。
電気はつかないし、窓には目張りがされている。
中央のテーブルにはパソコンが一台置いてある。
おそらくここは、彼が根城にしている一室。
ここで毛利さんのパソコンに不正アクセスをしたんだろう。
零さんは中央の椅子に座る。
俺もそれに習って、彼の向かいに座った。
スマホを操作すると、そこからは聞きなれた声が複数聞こえてきた。
零さんは俺にも見えるようにスマホをテーブルの上に置いた。
その画面にはコナンたちが映っていた。
『うわー…これバレたら、児童ポルノの疑いで逮捕じゃない?』
「僕にそんな趣味はない。必要なことだ」
『素直に協力してくれ、じゃダメなの?』
「僕が欲しいのは彼の本気の力だ」
『だから毛利さんを使ったんだね。毛利さんが逮捕されれば、蘭さんが悲しむ。蘭さんを悲しませないためにコナンくんは動く』
「そういうことだ。…お前は何か、気づいてることはないのか?」
頬杖をついて画面に映るコナンを見つめる。
『ん〜…?あっても教えられないかなぁ、今回は』
「…爆発があった日の朝から、何かを感じ取っていたようだな。こうなることが分かっていたのか」
なんだろうこれ。
尋問受けてる?
『…正直言うと、何かが起こることは知ってたよ。でも、何が起こるかは知らなかった。だから俺も現段階では、犯人が誰なのか、手口がなんなのかも知らない』
「そうか…」
『そうだ、ひとつ聞きたかったんだけど、爆発現場のガス栓って、ネットでアクセスできるタイプ?』
「ああ。僕も点検中にそのことに気づいて、それを使ったテロの可能性を考え、公安鑑識に指示しようとしたときに爆発が起こった」
…なるほど、それなら繋がる。
ガス栓をネットを使って開けて、現場をガスで充満させた後、圧力ポットを発火物にしたんだ。
そう考えていると、スマホからコナンの声が聞こえた。
《おじさんの起訴が決まったの?》
《検察からまもなく起訴するって連絡があったわ》
橘弁護士が検察側が提示した資料を机に広げた。
この資料はあとで俺の元にもコナンが送ってくれることになってる。
スマホの小さな画面では、その資料の中を確認することは出来ない。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時