408話 ゼロの執行人 ページ9
コナンは手がかりを見つけようと必死に資料を見つめている。
ある一枚の資料を見た時明らかに表情が変わった。
なんだ?
何か見つけたのか?
だが、俺たちからは何も見えない。
《どうしたの?》
画面の中の蘭がコナンに尋ねた。
《え?いや…どこかで見た気がして…》
その資料、あとで送ってもらわなきゃな…。
《はぁ…、これ見ると、爆破の手口がよく分かるわね》
《警察の捜査資料って、犯罪の詳しい手引書みたいなもんですよね》
手引書…か。
今の言葉、なんだか引っかかるような…。
そのとき、奇妙な音が聞こえてきて思考が遮断された。
どうやら橘先生の着メロらしい。
明日、公判前整理手続きを行うという連絡のようだ。
「さて、今日はここまでだな」
アプリを切って、零さんは立ち上がった。
『これからどうするの?』
「梓さんと一緒に、ポアロの食材の買出しに行くことになってる」
本当に、休む暇もないな…。
「警視庁まで送る。バイクがあるなら、帰れるな?」
『うん。それは大丈夫だけど…』
「なんだ?」
『…何も言わないんだなと思って。俺がコナンくんと行動してること』
なんとなく気にかかっていたことを打ち明けると、零さんは微かに笑った。
「お前はあの子に何も言わない。僕にも言わない。この世界の均衡が崩れないように気を配っているんだろうけど、僕はそれを信用している。それに、元とはいえお前も公安警察だ。この国を守りたいという気持ちは、僕と同じはずだろ?」
心にあったわだかまりが溶けていく様だった。
しばらく会えなくても、離れていても、どこか深いところで、俺たちは繋がっているんだ。
・
1080人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時