402話 ゼロの執行人 ページ3
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翌日、俺は朝から妃法律事務所を訪ねていた。
『お久しぶりです、妃さん。俺のこと、覚えていますか?』
「貴方は確か…私が入院したときにお見舞いに来てくれた…確か、黒瀬Aさん。ごめんなさいね、あの時は」
結局あのお見舞いのときは、毛利さんが妃さんを怒らせてそれきりだったんだっけ。
『いえ、お元気そうで何よりです』
「Aさんね、探偵の助手だから何か手伝えないかって来てくれたの」
コナンがいかにもな理由で俺がここにいる経緯を話してくれる。
「あら、探偵さんだったのね」
『毛利さんにはいつもお世話になっているので、何かお力になれればと思いまして』
「ありがとう。助かるわ」
妃さんににこっと対人用の笑顔を向けた後、例の橘弁護士に目を向けた。
『…橘境子弁護士ですね。話は聞いています。俺に出来ることは少ないですが、よろしくお願いしますね』
「ええ。よろしく」
戸惑ったような笑みを向ける彼女の声は、どこか聞き覚えがある。
声優さんじゃない…。
有名人を起用しているとみた。
そしてもう一人、初めましての人物が一人。
顔は見た事あるけど、名前が出てこない。
「貴方が黒瀬Aさんでしたか。私は警視庁刑事部の白鳥です。よく刑事部で名前が出るので、話は窺っていましたよ」
『刑事部で俺の話が?』
「ええ。鋭い観察眼を持っていて、よく捜査にもご協力いただいてると」
『いえ、そんなことないですよ。…黒瀬Aです。探偵助手をしています。よろしくお願いします』
手短に挨拶を済ませる。
「それで白鳥警部、何かあったの?」
「ああ、実は、日下部検事に、追加の捜査を求められたんだ」
「じゃあその捜査で、お父さんが不起訴になるってことも…」
コナンに手を引かれ、ソファに座る。
向かいのソファに座っていた蘭が、少し期待をこめた声音で尋ねた。
「いえ、追加捜査は日下部検事の一存で、公安警察は起訴を決めたようです」
…日下部検事は、毛利さんが犯人じゃないと気づいたのか…?
きっと、毛利さんを取り調べたのも彼だろうし、動機がないことや辻褄が合わないことに気づいたか、それとも……。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時