401話 ゼロの執行人 ページ2
「圧力ポットのほかにフライパンやお鍋や食器類も散乱してたから、爆発した場所は施設内にある飲食店の厨房だったようね」
「なんだよ!」
突然、イラだったようにコナンが声を荒げた。
拳をぎゅっと握り締め、俯くコナン。
「爆弾じゃ、なかったのかよ…!!」
「こら!爆発物を探せって言う君の頼みで、哀くんもこうやってがんばってくれてるんじゃぞ。それをなんじゃ、君らしくもない」
博士がすぐにコナンを咎める。
「…悪かった」
すぐに彼は謝ったが、その肩はまだ怒りに震えている。
『…何か、あったの』
なんとなく予想がついたが、尋ねると、彼は震える声で言った。
「小五郎のおっちゃんが…送検された」
俺たちは息を呑む。
思ったより、事態は急を要する。
まさか起訴まではされないだろうけど…時間はあまりないらしい。
なんとか、なるんだよな?零さん…。
デスクの上に置いてあるコナンの赤いスマホを見た。
気のせいかもしれないけど、そこから感じるはずのない視線。
遠隔操作アプリでも入れていたとしたら、零さんらしい。
協力してもらいたいコナンの動向を常に監視している可能性は高い。
盗聴だけでなく、盗撮もされているなら慎重に動かないといけないな。
・
阿笠博士の家でコナンと別れ、俺は家に帰ってきた。
零さんに着替えと弁当の件をメールしたが、返事はなかった。
代わりにコナンからメールが来ていた。
“橘境子さんという弁護士が、おっちゃんの弁護を担当することになった”
どうやら、弁護士が見つかったようだ。
“検事は日下部誠検事。妃先生と並ぶ敏腕検事みたい”
とも書かれていた。
ぶっちゃけ、急に現れる登場人物はみんな怪しい。
重要人物であることは間違いないだろう。
一度、確認しておくか。
もしかしたら、俺の勘が何か働くかもしれない。
働いたところで、コナンに教えることは出来ないだろうけど。
“俺も明日、妃先生のところに行ってもいいかな?”
と返信を送ると、すぐに了承の返事が帰ってきた。
零さんは今日も帰ってこなかった。
・
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時