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439話 ゼロの執行人 ページ40

『零さん…っ!!』


零さんに向かってコナンを投げる。



コナンの体をキャッチした零さんは俺を見るが、もうその手は届かない。


それを察して、俺は笑みを浮かべた。



大きな花火が夜空を照らす。



零さんは悔しそうに唇を噛み、懐から拳銃を取り出すと国際会議場のガラスの壁に向かって撃ち始めた。



あそこに着地するつもりか…と落ちていく体でぼんやりと考える。



数発の銃声の後、ガラスの割れる音が響いた。
それと同時に、大きな水しぶきの音。


カプセルは、海に着水したようだ。

2人とも、怪我してなきゃいいけど…。



そんなことを考えながらも、俺は懐から銃を取り出す。

博士から貰ったエアガンだ。
そのダイヤルを“強”へ設定し、近づく地面に銃口を向けた。


引き金を引くと、大きな風圧が体を襲う。



『くっ…』


僅かに体が浮き、落下するスピードが弱まった。


続けて、少し斜め先の地面に空砲を撃つ。


体は斜めに煽られて、コンクリートではなく、植え込みの中に背中から着地した。




『いっ…てぇ…』


軋む体に呻きながらも、ハッとしてカジノタワーを確認する。


僅かな損壊は見て取れるが、直撃は免れたようだ。

体の力が抜け、植え込みの中でホッと息を吐く。



これで…終わった、かな。



会議場を見上げると、ガラスの壁が割れていた。


コナンと零さんはあそこにいるんだろう。



いくら銃弾でガラスにヒビを入れていたとはいえ、あそこに突っ込んだんだから無傷ではないだろう…。


零さんの車も、またダメになっちゃったし。

今度こそ廃車かな…と近くに落ち、炎を上げている、もはや原型がない塊を見つめる。


警視庁の屋上で、コナンが言っていた、まだ解けていない謎。
それはきっと、どうして毛利さんを巻き込んだのか、ということだったんだろう。

その答えは単純で、零さんがコナンの本気の力を借りたかったから。


それを知ったコナンがどう思うのかは分からないが、これから敵対するようなことはないはず。




とりあえず今は、零さんが守るこの日本を守れたことを喜ぶべきか…。



440話 ゼロの執行人→←438話 ゼロの執行人



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時

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