425話 ゼロの執行人 ページ26
「去年起きた、NAZU不正アクセス事件の公判資料だ。あんたが担当した」
「そうか。その事件の手口はNorを使った不正アクセス」
「自分が担当した事件の手口を使って、サイバーテロを働いたんだよね?」
その事件が、今回の事件の手引書となってしまった。
「でもそれに誤算が生じた」
「NAZUではすでに犯人を追跡するシステムが完成していた」
「それを知ったあんたは、バグを作ったNorでアクセスし、IOTテロに見せかけて、上司のスマホを発火させたんだ。そのダミーを警察に特定させるためにね。だからIOTテロのタイミングが妙だったんだね」
コナンと零さんが2人で日下部を追い詰めていく。
彼はもう隠せないと判断したのか、零さんに体当たりし、自分のスマホを奪い返した。
「私のものに勝手に触れるな!」
零さんを突き飛ばすと、日下部は裏口へ走り、逃走を図る。
「待て!」
コナンがすぐに追いかけ、服の乱れを整え、零さんもその後を追う。
俺も追いかけようと思ったが、一瞬躊躇ってしまった。
これ以上は、俺がいても意味はない。
本来なら、あの2人で解決できることだ。
俺に出来ることはもう――…。
「A!早く来い!」
そんな俺の心情を知ってか知らずか、零さんが振り返って叫ぶ。
『う、うん…!』
反射的に、俺はその後を追いかけた。
裏口から駐車場へ出た日下部を追いかける。
零さんはスピードを上げて、コナンを追い抜く。
視界の端に入った空き缶を俺は拾い上げた。
『コナンくん!』
それをコナンに投げる。
キャッチしたコナンは俺の意図を汲み取ってくれたようで、キック力増強シューズのダイアルを回して作動させ、日下部目掛けて空き缶を蹴り飛ばした。
「逃がすかよっ!!」
空き缶は日下部に直撃し、彼は植え込みを転がり、歩道へ落ちた。
それでもなおすぐ起き上がり、逃げようとする日下部。
『くそ、だめか…!』
なかなかしぶとい。
「問題ない!」
零さんは駐車場に停められていた車の上に飛び乗る。
何台もの車の上を伝って走り飛び、日下部を追い抜いたところで植え込みを飛び越え歩道に着地した。
「くそっ!」
前に現れた零さんに日下部は殴りかかったが、それを彼は素早く避ける。
零さんは日下部の腕を掴んで倒し、捻りあげ、ようやく足を止めさせることができた。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時