369話 ページ20
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「貴方、確か黒瀬くん」
『こんにちは、佐藤刑事。目暮警部と高木刑事も』
現場にやってきたのは、お馴染みの目暮警部と高木刑事。
そして珍しく佐藤刑事だった。
「どうして貴方がここに?」
『実は…』
周りに配慮しながら、俺は事の経緯を説明した。
「なるほどね。ストーカーの疑いがある糸井くんに話を聞きにきたけど、彼は自 殺をしていた、と」
「現場を見る限り、自 殺で間違いないかと。これが遺書と思われる書置きです」
“彼女はもう戻ってこない。生きてる意味なんてない”。
緒川さんとの復縁がうまくいかなくて自 殺…?
「それと、緒川さんへのストーカーも、彼で間違いないでしょう」
高木刑事が持ってきたのは、手紙が入った鞄。
「鞄の中に糸井くんの学生証が入っていました。緒川さん、この手紙、貴女に送られていたものと同じで間違いないですね?」
「……はい」
緒川さんはすっかり憔悴しきって、俺にしがみついている。
不安なのはわかるが、これでは調査のしようがないな…。
鑑識の人達が降ろした糸井の遺体は、ベンチの上に寝かされている。
首には太い縄の鬱血痕が…。
『……あれ?』
「どうしたの?黒瀬くん」
『…蘭さん、緒川さんをお願いします』
「は、はい…!」
蘭に緒川さんを託して、俺は遺体に近づいた。
『ここ、見てください』
「なんだね?」
俺が示した遺体の首を目暮警部たちが覗き込む。
『縄の痕以外に、細い線のような痕が残ってるの、見えますか?』
「…本当ね。細い、糸のような…」
『…もしかしたら、これは自 殺に見せかけた他殺…という可能性は?』
「誰かが、彼の首を絞めたあと、首に縄を巻いて自 殺に偽装したってこと?」
『それに、ここ見てください』
ロッカーのある場所を示す。
『糸井くんのロッカーのようですけど、ここに引っ掻いたような痕が』
糸井と名前が書かれたロッカーの扉には爪で引っ掻いたような痕が残っている。
『後ろから急に首を絞められ、苦しんでもがいて付いた痕…』
「…だとしたら、一体誰が?」
疑いの目が、部員や顧問に向けられる。
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時