367話 ページ18
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「こっちが、バスケ部の体育館。…あれ、いないな…」
体育館ではバスケ部が練習していたが、そこに糸井の姿はないらしい。
『休み、とか?』
ここに来るまで、いろいろ考えてはいたが、バスケ部部長となると忙しい立場のはずだ。
ストーカーなんてしている暇があるのだろうか…。
本当に、ストーカーは糸井なのか?
「あれ、緒川、どうしたの?」
「糸井に用があるんだけど、どこ行ったか知らない?」
「糸井先輩なら、さっき部室に戻るの見ましたよ?」
見る限り、緒川さんと糸井が付き合っていたことは、バスケ部員に周知されているらしい。
「部室ね、りょーかい」
「なんすか?ヨリ戻すんすか?」
「てか、後ろの人、新しい彼氏?」
「うわ、部室で修羅場とかやめてくださいよ〜」
「黒っちはそういうのじゃないの。行こ」
緒川さんが俺の腕に手を絡めて体育館を離れる。
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部室塔に辿り着き、バスケ部の部室を目指す。
「あれ、黒瀬さん!?」
途中、胴着を着た蘭に出会った。
『あ、蘭さん。こんにちは』
「どうしてここに…?」
『探偵の仕事でちょっと…。…そっか、蘭さんは空手部でしたね』
「はい。…あれ?言ったことありましたっけ?」
『え、あぁ…コナンくんに聞いたんです』
危ない危ない…。
久しぶりすぎて気が緩んだ…。
「黒っちー、部室ここだけど…、あれ、鍵かかってる…」
緒川さんががちゃがちゃとノブを回すが、しっかり施錠されているらしい。
『鍵を持っているのは?』
「あ、どの部活も基本部長が。職員室に行けば、スペアがあるかもしれないですけど…」
蘭が教えてくれるがざわざわと嫌な予感が押し寄せてくる。
『…緒川さん、ヘアピン貸してくれる?』
「え?ヘアピン?…はい」
髪につけていたヘアピンを取って、緒川さんは俺に渡してくれた。
『ありがとう』
「…黒瀬さん、まさか…」
蘭は、何かを察したようだ。
ドアの前にしゃがみこみ、鍵穴にヘアピンを差し込む。
耳を近づけて音を確かめながら少し弄ると、鍵の回る音がした。
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時