365話 ページ16
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「頼みがあるんだが」
ある朝、突然零さんにそう切り出された。
『ん?珍しいね。何?』
「安室透の助手として、依頼をひとつこなして欲しい」
『…それは構わないけど…、普通の依頼?』
「ああ。ポアロの常連の女子高生に依頼されてな。元彼からのストーカー被害に困っていると」
仮の姿の探偵業とはいえ、名乗っている以上、依頼が舞い込むことが多い。
あの眠りの小五郎の助手、という肩書きもあるのかもしれないが。
「本当は今日、17時からポアロで会っていろいろ話す予定だったんだが、急な仕事が入ってな。お前を見込んで任せようと思う。頼めるか?」
『まぁ、いいけど…』
本当は任されて凄く嬉しいが、照れ隠しにそっぽを向く。
急な用とは公安の件らしい。
スーツを羽織る零さんをちらりと見やる。
いつ、大きな出来事に巻き込まれて映画沿いに入るかわからないこの状況で、あまり一人にはしたくないところだけど…。
「じゃあ、頼んだぞ。行ってきます」
『いってらっしゃい』
俺に出来るのは、こうやって零さんの負担を少しでも減らすことだけ。
任された以上、しっかり頑張らないと。
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『こんにちは。貴女が緒川さん?』
約束の時間の少し前にポアロにつくと、事前に貰っていた資料に一致する女性がいたので声をかけた。
「え…っ?あ…嘘!黒瀬さん!?」
スマホから顔を上げた緒川さんは俺を見て目を丸くした。
『あれ、知ってるの?』
「もちろん…!よくここであむぴと喋ってるの見かけるし、あと…前、雑誌を見た!」
雑誌って…以前引き受けたモデルのやつか。懐かしい。
それにしても……あむぴ…?
『そうだったんですね。今日、安室は急用が入ったので、助手の私がこの件を引き受けることになりました』
「そうなんだ…!よろしく!」
蘭たちともまた違うタイプの女子高生に少し圧倒されるが、今は集中。
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時