320話 ページ21
気づくと、人だかりが出来ていた。
みんなの視線が、僕と動かなくなった路地の体に集まる。
逃げなきゃ、僕は違う、何も…してない…。
そう思うのに体が思うように動かない。
警察がやってきて、わけも分からないままパトカーに乗せられた。
「黒瀬くん、事情を話してくれないか」
『…え?』
太った帽子を被った警察の人が、聞いてきた。
黒瀬…とは、僕の偽名のことか…。
『何も、知らな……』
「でも、君はあの場にいて、更に被害者の血が付いたナイフを持っていたんだ。無関係ではないはずだよ」
もう一人の警察の人が聞く。
2人とも、現場に駆けつけたとき、僕を見てすごくびっくりしてた。
名前も知っているようだし、知り合いなのかも…。
『違う……、あれは…僕のせいで…、でも、これは違くて…』
「く、黒瀬くん…?」
お父さんとお母さんを殺したのは、僕。
でも、さっきのは違う。
『知らない…っ、わかんない…!』
「お、落ち着きなさい!ど、どういうことなんだね!?」
『僕が殺した…僕のせいで…』
お兄さんは、僕のせいじゃないと言ってくれたけど、僕がいなければ、2人はまだ生きていられたのに…!
「様子がおかしいですよ、目暮警部…」
「ああ…。確か、彼は安室くんの助手だったな。高木くん、彼に連絡を…!」
「は、はい…!」
『や…!やめて…!』
携帯を取り出した高木と呼ばれた警察の人の手を掴んだ。
『お兄さんには連絡しないで…っ!迷惑かけたら、僕…また、独りになっちゃう…!』
これ以上お兄さんの迷惑にならないように…早く大人の僕を返そうと思って黙って出てきたのに…、このままだと追い出されて、大人の僕まで捨てられちゃう…!
「お、お兄さんって…」
「安室くんのことか…?」
「そんな風に呼んでましたっけ…?」
そのとき、コンコンと車の窓ガラスが叩かれた。
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで嬉しいです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2019年6月7日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします! (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです! (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…!本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします!こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年5月23日 22時