325話 ページ26
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『はぁ…記憶喪失、ね。全然覚えてないや』
後日、俺は阿笠邸を訪れていた。
そこでコナンに、先日の出来事を聞いたのだった。
記憶が8歳のときまで戻っていたなんて…零さんにかなり迷惑をかけたんじゃないだろうか。
よりにもよって、人生の歯車が狂った8歳のときなんて…。
「ま、大きな後遺症は残らなかったようだし、問題ないんじゃない?」
優雅に足を組みながら紅茶を飲む灰原。
「ちゃんと記憶が戻ったからいいものの、オメーは先のこと考えずに行動しすぎだ」
『それ、君が言う?』
阿笠邸の庭では、少年探偵団3人が遊んでいるようで、賑やかな声が聞こえてくる。
『そういえば、博士は?』
用があったわけではないが、博士の姿を今日は見ていないことに気づく。
「博士なら、ぎっくり腰で寝込んでるわ。ところで黒瀬さん、貴方、車の運転は出来る?」
『え』
なんだか、嫌な予感。
「今日、博士に米花デパートに連れて行ってもらう予定だったんだけど、その博士が動けないから、困っていたのよ」
『はぁ、それはご愁傷様…』
「あの子たち、今日デパートでやる仮面ヤイバーショー、楽しみにしていたんだけど」
『………わかったよ。博士の車、借りていいなら連れてってやる』
「話が早くて助かるわ」
そう誘導したのは灰原のくせに。
怖い女だ。
子供たちを灰原が呼びに行ったため、コナンと2人きりになった。
「はは、ご愁傷様」
哀れんだような瞳を向けてくるコナンを軽く睨みながら、何も起こらないことを祈るのだった。
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体の大きな元太を助手席に、後部座席に残りの四人を乗せながら、博士のビートルを運転して米花デパートにたどり着いた。
「早く早く!ショーが始まっちゃいますよ!」
仮面ヤイバーショーはデパートの屋上で開催されるらしい。
『終わったら連絡して。俺も適当にぶらぶらするから』
「「「はーい!」」」
元気に駆けて行く3人の子供たち。
『……で、君たちは行かないの?』
「俺は別に興味ねぇしな」
「2人とも、用がないなら付き合ってくれる?」
意地の悪い笑みを浮かべる灰原にまたしても嫌な予感。
コナンもそれを感じたようで、肩を竦めて乾いた笑いを浮かべた。
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで嬉しいです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2019年6月7日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします! (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです! (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…!本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします!こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年5月23日 22時