235話 ページ36
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目が覚めると夜の公園にいた。
初めてこの世界に来たときも、俺はこの公園のこのベンチに座っていた。
戻って、きたんだ…。
公園に設置されている時計を見ると、22時を過ぎていた。
また何も所持品がないし、ここから自力で零さんのところに帰らないと…。
…待っていて、くれてるだろうか。
あの家に俺の物は、まだあるのだろうか。
そう考えると怖くなった。
涼は零さんが俺を探していたといっていたが、こっちの世界ではどのくらいの時間が経ったのだろう。
浦島太郎みたいに、何年も経っていたらどうしよう…、と考えていたときだった。
「…A」
ずっと聞きたかった声が、俺の名前を呼んだ。
声のしたほうに顔を向けて、目を見開いた。
『……零さん』
よろりとベンチから立ち上がる。
ああ、よかった。
貴方は俺のこと、忘れないでいてくれたんだ。
探してくれていたんだね。
安心して、表情が緩んだ。
それを見た零さんは、きゅっと唇を引き結び、勢いよく抱きついてきた。
『おっと…』
よろける体で彼を受け止めて、その背に腕を回した。
『…心配してくれたんだ？』
「あたりまえだ…」
『…ありがとう。もう消えない。大丈夫だから』
安心させるようにぽんぽんと彼の背を叩く。
「A」
『ん？』
「好きだ」
突然の告白に彼の背を叩いていた手が止まった。
その短い直球な言葉は、スッと俺の頭に入ってくる。
それと同時に、じわりと心が温かくなり、視界も霞んだ。
『…俺も、零さんが好き』
ぎゅっと抱きしめる腕に力をこめた。
元公安警察と現役の公安警察が同性愛なんて、上層部に知られたらなんて言われるか。
でも愛の前で、そんなこと関係ない。
こんなことを考える日が来るなんて、仕事ばかりしていたあの頃からは考えられないな。
するりと頬が撫でられたと思うと、いつの間にか目の前には綺麗な零さんの顔があった。
俺はそっと目を閉じて、唇に触れる彼の温かさの中にまどろんだのだった。
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
