230話 -Sideコナン- ページ31
-Sideコナン-
Aさんがいなくなって、2週間が経った。
あの日、学校に行く前に病院に寄った俺は、病室前で立ち尽くす安室さんを見つけた。
どうしたのか声をかけると、安室さんは見たこともない表情で「Aが消えた」と掠れた声で呟いた。
病室の中はもぬけの殻で、ベッドの上には行き場のない点滴の針と呼吸器が不自然な状態で転がっているだけだった。
本当に、Aさんがその場から消失してしまったかのように。
死んでしまったのか…あのAさんが。
あのときの安室さんは、見るに耐えない状態だった。
【俺が急にいなくなったら、あの人の事よろしくね】
彼に言われた言葉を思い出す。
無理に決まってんだろ。
あの人のお守りなんて、オメーにしかできねぇよ…。
それからというもの、ポアロで見かける安室さんはいつも通りのように見えて、心ここにあらずといった感じだった。
怪我をすることも増えたし、目の下の隈が、彼が眠れていないことを現している。
さすがに、蘭や梓さん、少年探偵団のやつらも心配していた。
急に消えたAさんのことは、海外に留学することになったそうだと伝えておいた。
赤井さんは、独自のルートでAさんを探してくれているらしい。
この世界にいる可能性はかなり低いが、もしかしたら…という希望を捨てずに。
安室さんも、その可能性をまだ信じているのか、探偵業と組織と公安の仕事の傍ら、Aさんを探しているらしい。
だが、形跡は全くと言っていいほどない。
「…トリップって、出来ると思うか？」
博士の家でスマホを弄りながら、隣にいる灰原に話を振った。
「は？トリップ？」
科学者であるこいつなら、もしかしたら…と思ったが、この反応は期待できなそうだ。
「出来るわけないでしょ？そんな非科学的なこと」
「…だよな」
案の定だ。
俺だって信じてなかった。
Aさんが現れるまでは。
自分はトリップしてきた、と言ったAさんの言葉を、最初は半信半疑で聞いていた。
だがすぐに、彼が現れた状況、元公安警察だということも、その事実を信じずにはいられないものに変わっていった。
何より彼は、俺に敵意はなかったし、安室さんに対して強い思い入れを持っていた。
同じ立場の者として支えたいと。
黒瀬Aは、いつの間にかすっかり、この世界の人間になっていた。
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
