214話 仲の悪いガールズバンド ページ15
「血は止まったんですか？」
『もう大丈夫ですよ』
「でもこれ本当に鼻血…？」
襟元の血を園子がじっと見つめる。
「お水、飲んでください」
自販機で水を買って、差し出してくれる蘭。
高校生の世話になるなんて、情けない…。
『ありがとう。ごめんね、心配かけちゃって』
「いいんですよ！黒瀬さんって、ほっとくと一人でどっか行っちゃいそうな感じだし。ね、蘭」
「…うん。自分の領域には誰も近づけようとしないっていうか…、あ、ごめんなさい…」
失礼なことを言ったと思ったのか、蘭が急に慌てだす。
『いや、その通りだったから、気にしないで』
ペットボトルの蓋を開け、水を飲んで息をつく。
『前は一人でなんでもしなきゃいけなくて、頼れる人もいなくて。でも、今はこうして心配してくれる人達がいるから、嬉しいです』
「前って…、記憶障害は治ったんですか？」
…最初はそういう設定だったな。
『あはは、なんとかね』
「それでもここにいるのは、安室さんがいるから？」
じっと園子に見つめられ、思わず目を逸らした。
『…そうですね。それが一番大きいかな』
「うわぁ、なんかこっちが照れるわ…」
彼の為にこの世界にいるから、間違ったことは言ってない。
じくじくと痛む胸を握り締める。
まさかとは思うけど、体内に銃弾があったり…しないよな？と不安に襲われたとき、警察に連行されるこの事件の犯人、小暮さんが姿を現した。
やっぱり彼女が犯人だったか。
凶器は殺された萩江さんが被っていたニット帽の毛糸。
動機は、俺には知る由もないな。
警察に続いて、コナン達も階段を上って戻ってきた。
「Aさん！よかった、ここにいましたか」
安室さんが駆け寄ってきた。
「さっきぶつかったとき様子がおかしかったので、心配したんですよ？」
休憩所を出るときにぶつかったのは安室さんだったのか。
彼は俺の頬を両手で包み込む。
「…顔色が悪い。それにこの血は…」
『…ちょっと、鼻血で』
彼のことだからこの嘘は見抜いているだろう。
ちらりと蘭や園子を見ると、彼は察してくれたようだ。
「早く帰りましょう。車はポアロの近くに置いてあるので、そこまで歩けますか？」
『大丈夫ですよ、大したことないので』
「Aさん…」
コナンが俺を見つめる。
分かってるよ、ちゃんと後で説明するから、と目で訴える。
すごく痛いけど、ここで死なないよりはマシ、か…。
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
