243話 ページ44
目先に彼の背中を見つけて、慌ててスーツの裾を引っ張った。
『あの…っ』
「え…？…さっきの…」
『これ』
彼…風見さんに警察手帳を差し出した。
『無くしたら、戒告ものですよ。気をつけて』
「あ、ああ…。よく知ってるな…。いや、ありがとう…」
あっけにとられたように風見さんは警察手帳を受け取った。
以前、観覧車事件のとき、零さんが「風見」と言っていた。
もしかしたらこの人は公安の人で、零さんの部下…とかなのかな。
そのとき、携帯の着信音が響き渡った。
「失礼」
音の正体は風見さんのスマホかららしく、彼は俺に背を向けて電話に出た。
「どうした？…何？動きがあっただと？予定より早いな…。俺から降谷さんには連絡を入れる。もう一方を見張っている人員数名もそっちに向かわせる。しっかり見張っておけ。すぐに向かう」
降谷さんって…やっぱりこの人公安の人か。
そして、ゼロである零さんと繋がることができる立場の人。
「すまない。急用が出来た。拾ってくれたこと、礼を言う。それでは」
『あ、待って』
腕を掴んで引き止めた俺に、風見さんは眉をひそめた。
『そっちはたぶんフェイク。別のルートでホシは動く』
「…え？」
さっきの電話での返しからすると、おそらく今公安はなんらかの組織を追っているんだろう。
そしてその組織は予定より早く動き出した。
ホシが二手に分かれているということは、誰かが大事な情報を握っている。
公安が追っているのはその情報を握った人物。
詳しいことはよく分からないが、俺の勘が働く。
『ホシは、公安の見張りに気づいた。だから陽動作戦に移行したんだ』
「君は一体…」
『…黒瀬A。私立探偵安室透の助手をしています』
その名前を出すと、風見さんの目が僅かに見開かれた。
『もう一方の潜伏場所はどこだ？』
「え…、３丁目のアパート…」
あっさりと口を滑らせた風見さんはハッと自身の口を手で塞いだ。
『そっちに人員を増やせ。零さんもそっちに向かわせて。早くしないと逃げられる』
「あ、あぁ…」
風見さんは呆気にとられた様に電話をかけ始める。
……はっ、しまった…。
つい癖で、指揮をとってしまった…。
『そういうことなので…俺はこれで…』
「待ってくれ。君にはいろいろ聞きたいことがある。一緒に来てもらおうか」
…これ、あとで零さんに怒られないよな…？
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
