【名探偵コナン】異世界の訪問者41《男主》

2137話 ハロウィンの花嫁 ページ38

4人部屋の窓側のベッドに毛利さんはいるらしく、同じ部屋の患者たちは困惑したようにそちらを見つめている。




「おかしいわね、もう麻酔が効くころなのに…耐性でもあるのかしら…」


ベッドの上でジタバタと暴れる毛利さんを見て困った様子の看護師たち。


どうやら麻酔が効かず、毛利さんは痛みにのた打ち回っているようだ。




まぁ、普段からあれだけ強い麻酔を打たれていれば耐性も付くだろうな…、と同情しつつも病室の中に入った。






『毛利さん。意外と元気そうですね』


そう言って顔を覗かせると、毛利さんは俺を見た。





「くっ、黒瀬ぇぇ！助けてくれ!!」

『ほらほら、子供じゃないんですから大人しくしてください』

「んなこと言ったって!!痛ぇもんは痛ぇんだよ!!どうにかしてくれぇぇぇ！」



今日は話が出来るような状態ではなさそうだ。




頭に包帯が巻かれた痛々しい状態ではあるものの、これだけ叫んで暴れ回れるなら、回復も早いだろう。






『この人、通常の麻酔は効きづらいと思うので、もう少し強力なの投与してください』

「え、は、はい」



俺の言葉を聞いて、新しい麻酔を準備しに看護師は急いで部屋を出て行く。






『毛利さん、お菓子置いていくので、もう少し元気になったら食べてくださいね。それじゃあ、また来ます』

「は、ぁ!?ま、待てってぇぇ！助けてくれぇぇぇ！」




気を失わせる打撃でも与えてあげた方が楽なのかもしれないが、病院でそんなことできないし。





サイドボードの上に見舞いのお菓子を置いて、喚く毛利さんに会釈をして病室を出た。




もう少し落ち着いたらまたお見舞いに行こう。


そのときは、零さんも一緒に来れたらいいな。










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