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1590話 14番目の標的 ページ41

レストランの外壁と水槽が爆発で砕け散る。


水槽から勢いよく水が押し寄せてきた。




「Aっ!」



零さんがとっさに俺を抱き寄せる。

水が全身を覆う直前に大きく息を吸い込んだ。



水流に流されながらも、勢いが収まると2人で水面に向けて泳ぐ。






『ぶは…っ』

「は…っ、大丈夫か!?」

『う、うん。他の人たちは…』



周囲を見渡すと、泳げない仁科さんを抱えた毛利さんが水面に上がってきた。


次いで、他の面々も顔を出す。

だが、蘭の姿がない。
コナンもそれに気づいたのだろう。



近くに浮かび上がってきた空のペットボトルに指で蓋をして、再び水の中に戻って行った。


俺も水中に顔を突っ込み、霞む視界の中で様子を見る。




どうやら、車に挟まって蘭が身動き取れなくなっているようだ。



意識を失いかけた彼女の口元に、コナンは空気を含んだペットボトルを近づける。




意識を取り戻した蘭に安心したコナンは車を持ち上げようとしているがビクともしないようだ。


一度水面に顔を出して、零さんを見やる。





『下で、蘭さんとコナンくんが…!』



緊急事態だと察したのだろう。

零さんは頷くと、俺と一緒に水中に潜る。



今度はコナンが車とホイールの間に足が挟まって身動きが取れなくなってしまったようだ。




急いで2人を助けに行かなければと泳いでいると――。





『っ』


呼吸が出来なくなって意識を飛ばしかけているコナンに蘭が口づけていた。





そのとき、先日の古い占いのゲームを思い出す。



“Aの予感”ってあれ…あながち当たっていたのかも。

まぁ、人工呼吸だけど。





蘭のおかげで意識を取り戻したコナンだったが、蘭は再び意識を失った。



俺はコナンの元に泳ぎ切ると、彼を後ろから引っ張る。

そうすると、彼の足は隙間から抜け出した。



零さんが車を持ち上げようと試みるが、やはり彼の力をもってしても無理なようだ。


コナンが手にしていた伸縮サスペンダーを指さす。



彼の意図を察知して頷いた。








サスペンダーの片方を受け取り、車の前方に取りつける。


もう一方をコナンが近くの太い柱に括りつけた。


スイッチを押すと、サスペンダーの縮小に合わせて車の前方が浮き上がる。

その隙に零さんが車の下から蘭を救出し、浮上していく。





俺とコナンもそれに続き、水面に顔を出した。








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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - ふぇおさん» こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます!寒暖差が激しいので、ふぇお様も体調にお気を付けくださいね。これからも応援よろしくお願いします! (2021年10月17日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます!!!体調を崩さない程度に更新してくださいね、応援してます頑張ってください!!神作をありがとう!!! (2021年10月17日 0時) (レス) @page20 id: c548f35cab (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2021年10月3日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 096さん» 映画ストーリーは好きです、頑張って下さい (2021年10月2日 16時) (レス) @page6 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!! (2021年10月1日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2021年9月28日 21時

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