84話 -Side降谷- ページ35
-Side降谷-
黒瀬さん、大丈夫だろうか。
今朝、朝食の用意が終わって彼を起こそうと近づいたら、彼は酷く魘されていて、とても苦しそうだった。
早くその苦しみから解放させようと声をかけた瞬間、殺気を纏い、首の動脈を狙って締め上げられ、押し倒された。
それは一般人の動きではなかった。
完全に油断していたとはいえ、彼が本当にその気だったら、殺されていたかも。
彼の正体は未だに知れないが、やはり只者ではない。
顔色が悪かった彼を休ませようと思ったが、仕事に行くと聞かない。
ならせめて送り迎えをすると申し出たら、声を荒げて拒絶され、そのまま出て行ってしまった。
キツい口調と鋭い目付き。
本当の彼だと思った。
手がつけられなかった朝食にラップをしながら、僕も安室透として久しぶりにポアロに出勤したのだ。
風邪は大丈夫かと心配してくれたマスターと梓さんに休んだ謝罪をしつつ仕事を始める。
・
13時を過ぎたころ、コナンくんがやってきた。
半ば睨みつけるように、僕を観察している。
何か、探られているようだ。
「コナンくん、ケーキ食べる?」
「うん!」
近づくと、子供の顔に戻るコナンくん。
彼はこの間の伊豆高原での事件のときも、黒瀬さんと2人でコソコソと話していた。
まるでお互いしか知らない内緒話をしていたかのように。
ケーキの準備をしていたとき、コナンくんの携帯電話が鳴った。
「もしもし?」
相手は誰だろうか。
コナンくんの表情が少し変わった。
「…今?ポアロにいるけど…。……え!?黒瀬さんが倒れた!?」
「!」
ケーキを準備していた手が止まった。
「安室さん?いるけど…」
コナンくんの視線が僕に向いたが、何か戸惑っているようだ。
「わかった、杯戸中央病院だね、すぐ向かうよ」
電話を切ったコナンくんに詰め寄った。
「黒瀬さん倒れたの?」
「うん。朝から体調悪そうだったらしいけど…、仕事中に倒れて、意識不明って…。さっき救急車が来て、これから病院に行くみたい…」
やっぱり、全然大丈夫じゃないじゃないか…!
・
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時