85話 -Side降谷- ページ36
「あの梓さん…」
「いいですよ。心配でしょうから、行ってあげてください」
「…すみません」
一度裏に引っ込み、エプロンを外してジャケットを羽織る。
荷物を持って駆け足でポアロを出ようとすると…。
「安室さん!僕も行く!」
コナンくんがついてきた。
彼を助手席に乗せて、黒瀬さんが運ばれたという杯戸中央病院に急いだ。
・
駐車場に車を停め、コナンくんと一緒に病院内に急いだ。
看護師に居場所を聞いて、病室に急ぐ。
どうやら、手術をするような状況ではないらしく、とりあえず個室に運び込まれたらしい。
病室の扉をあけると、点滴を打たれて黒瀬さんは眠っていた。
「ご家族の方ですか?」
医者が診断している最中だったようだ。
「いえ、知り合いです…」
「ちゃんと検査をしないと詳しいことはわかりませんが、疲れやストレスからのものだと思います。発熱もしているようですが、直に目を覚ますでしょう」
一刻を争う状況ではないことにホッとする。
「頭とか、打ってないの?」
「幸い、怪我もないから大丈夫だよ。精神的なものだと思うから」
目を覚ましたら呼んでください、と医者は部屋を出て行った。
「今朝から様子がおかしかったんだ。酷く魘されていたし、僕が何か言ってはいけないことを言ってしまったみたいで怒らせちゃって…朝食も食べずに仕事に行って…。ちゃんと休ませればよかった…」
「安室さんのせいじゃないよ。慣れない環境で、疲れが溜まってたんだと思う」
椅子に座って、眠る黒瀬さんを見つめる。
思えば、ベルツリー急行の一件が終わって帰って来てから、様子がおかしかったように思う。
泣きそうな顔で、彼は僕の頭を撫でた。
照れ臭くて、彼の真意を知ろうとしなかった。
聞いても彼ははぐらかしただろう。
「コナンくん、彼のこと、何か知ってる?」
隣で同じく様子を見ている小さな少年に聞く。
「…僕は何も言えないよ。約束してるから。黒瀬さんと」
ちくりと胸が痛んだ。
僕の知らない真実を、この小さな子供は知っている。
・
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時