77話 謎解きするバーボン ページ28
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サークルの3人がまた部屋に呼ばれ、ここからは見守ることにするか、と一歩下がる。
毛利さんが椅子に座り、コナンがいつものように時計型の麻酔銃を構える。
放たれた針が毛利さんに命中し、眠りの小五郎の推理ショーが始まる。
それが、いつもの流れだ。
だが、今回は違った。
「ん?何してるんだい?コナンくん」
コナンを覗き込むように、毛利さんとの間に安室さんが入り込んだ。
これはコナンも想定外のようで、だいぶ動揺している。
助け舟を、出した方がいいんだろうか…。
「う、腕時計の蓋が壊れちゃって…、あ、あははは」
逃げるように、コナンは距離を取る。
そのあとをそっと追いかける。
しゃがみこみこそっと声をかけた。
『こんなこともあるんだねぇ…』
「うるせー…。にしても、さすがにあの男の前じゃ眠りの小五郎はできねぇか…」
『さすがに、気付いてはいないようだけど。もちろん俺も話してねぇよ?』
「それは疑ってねぇよ。でもお前、本当に大丈夫なのかよ、一緒にいて」
『彼は俺が組織のことを知ってることは知ってる。でも、彼がバーボンだって知っているのは知らない。黙っていれば、殺されることはまずない。言ったとしても、多分大丈夫』
「その根拠はなんなんだよ…」
『ただの勘。それよりどうする?俺も真相分かったし、助けてあげてもいいけど…、安室さんも気付いたから、そっちに任せるのもありだよ?』
「…ま、今回はヒント出しつつ、なんとかするさ。お前も下手なこと言いかねねぇからな」
信用されてるのかされてないのか…。
「だいたいよぉ、俺達が下で聞いたあの音、花瓶が落ちた音じゃねぇんじゃねぇか?」
「あのとき、部屋には遺体とボウヤが寝てただけだし」
「勝手に花瓶が落ちるわけないし…」
最後の桃園さんの呟きを聞き逃さなかった。
「ねぇねぇ、冷やし中華っていえばさぁ、氷使うよね?」
さっそく、ヒントを出しにコナンが動いた。
「ええ。茹でた麺を冷やすときに、氷水に浸けるからね」
「おい、余計な話してんじゃねぇよ」
「だってさぁ、氷って溶けるじゃない!」
ヒントの出し方、下手だなぁ、おい。
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時