検索窓
今日:197 hit、昨日:566 hit、合計:1,959,558 hit

76話 謎解きするバーボン ページ27




夕方になり、結局ゴミの中から鍵は見つからなかったという報告が入った。
 

そして、遺体の下敷きになっていたラケットのガットが、歪んでいたという。
 
血のついた銅製の花瓶と遺体の頭部の傷は一致したが、その花瓶の中に水が入っていたらしい。
 

やっぱり。
それは大きな情報だ。
 

死亡推定時刻は遺体発見の2、3時間前。
室温の状態によっては前後30分程度ずれが生じる。
 
確か、遺体が発見された部屋のクーラーの電源は切られていた。
 

コナンはクーラーの壊れた部屋から涼しい部屋に移動したのに、そこでまたクーラーが切れているのは不自然だ。
 
犯人が、ある目的のためにクーラーの電源を切った、という可能性が高い。



「皆さんと一緒にここで昼食を食べたのが、遺体発見のおよそ3時間くらい前ですから、一応あの3人全員に犯行の機会はありそうですが?」

「お前、犯人見てねぇのかよ?ずっと部屋の中にいたんだろ?」
 

推理が面倒になったのか、コナンに目撃していないのか尋ねる毛利さん。


「ぐっすり寝てたから…」

「じゃあ、私と園子があの部屋に冷やし中華持ってったのも覚えてないよね?」

「うん、寝てたと思う」

「そういえば蘭、あの時、変なこと言ってたわよね?“この部屋のクーラー効いてるみたいだし”って。なんでそんなことが分かったの?部屋の外にいたのに」

「だって、足の指先がひんやり涼しかったもん。扉の下の隙間から、冷気が漏れてたんだと思うよ」

『!』
 

…なるほど、そういうことか。
 
コナンも気付いたらしい。
この密室トリックの謎に。



「…どうかしました?」
 

気付いたことが顔に出ていたらしい。
安室さんが覗き込んでくる。


『い、いえ、なんでもないです』

「…何か分かったんですか?」

『あー…、過冷却水って知ってます?』

「!」
 

俺の一言で、安室さんも気づいたらしい。
今のは殺害方法、というより、鍵のありかを示すヒント。
 

ヒントなんて、出すつもりなかったのに…。


77話 謎解きするバーボン→←75話 謎解きするバーボン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (678 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1519人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。