62話 漆黒の特急 ページ13
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8号車につくと、コナンと世良、そして毛利さんが車掌を囲んでなにやら話していた。
『コナンくん!』
「黒瀬さん!どうして…」
『じっとしていられなくて…』
黒ずくめの組織がいる、とは報告できない。
知ったら彼は、そっちに気を持っていかれてしまうだろう。
俺が知っている限り、灰原哀は生きて、まだ少年探偵団にいる。
余計な手は出さない方がいい。
『何が起きたの?』
「密室殺人だよ。B室の室橋さんが拳銃で頭を撃たれて死んでいたんだ」
世良が説明してくれた。
毛利さんは、推理の真っ最中らしい。
「亡くなった室橋さんのB室にはチェーンロックがかかっていて、事件があった頃ずーっとこの廊下にいた車掌が、B室に出入りする不審人物を誰も見てないんなら、室橋さんの拳銃自 殺で決まりなんじゃないのか?」
「でも、こめかみの銃創の周りには、焦げ痕がなかったし…」
「遺体の向かいのソファには、拳銃で撃った痕がついてたよね」
「このミステリートレインの乗客は全員ミステリーファン。どうせ死ぬなら、他殺に見える証拠をわざと残して、自分の死を謎めいたものにしたかったんだよ」
ドヤ顔の毛利さんだが、それは少し強引な推理な気がする。
「なるほど!さすが眠りの小五郎ですね!」
車掌に囃し立てられ、毛利さんはご機嫌だ。
「けどさ、あの室橋って人、蘭くんたちと部屋を入れ替えて、推理クイズにノリノリで協力してたんだよ?」
『部屋を入れ替え…?あ、もしかして、さっきコナンくんたちが部屋に戻ってきたときに言ってたのって…』
「うん。8号車の蘭姉ちゃん達と7号車の室橋さんが、僕達に届いたのと同じ封筒の指示で、部屋を入れ替えてたんだ」
『8号車と思い込んでいた車両から一つ移動して、7号車にいると思っていたけど、6号車の自分たちの部屋が現れて、みんなあんなに驚いてたんだね』
確かに、車内には車両を示す番号がない。
「そうなんだ。それに、推理クイズはまだ始まってなくて、この封筒も偽者だったみたい」
コナンが取り出した封筒を車掌が受け取る。
「…確かに、いつもの指示カードとそっくりだけど、内容は我々が聞いていたトリックとは違うなぁ…」
犯人は、クイズの指示に見せかけてわざわざ部屋を移動させた…。
室橋さんを、殺害するために。
となるとこれは、計画的犯行ということになる。
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時