65話 漆黒の特急 ページ16
『火事…!?』
廊下からは逃げ惑う人々の声が聞こえてくる。
まさか、組織が灰原を誘き出そうとしている…!?
組織に居場所がバレ、他の子供達に見つからないように、誰もいなくなったはずの後方車両に行くと、彼女の行動を読んで…?
でも、現に彼女はここにいる。
一体どうするつもりなんだ…?
「ただいま戻りました。ありがとうございます」
落ち着いた様子で沖矢さんは戻ってきた。
『沖矢さん、これは…』
「彼女を炙り出すための罠です。大丈夫。手は打ってありますよ」
火事はフェイク。
何かが燃えるような匂いはしない。
『もう、好きにしていいんですよね?』
「ええ。ですが、どこへ?」
『後方車両へ。きっとそこに、安室さんがいます』
「見つかったら、殺されるかもしれませんよ?」
『…彼はしませんよ、そんなこと。でも、そうだな…、次死ぬなら、彼に撃たれたい』
何故そんなことを思うのか分からない。この世界で死んだらどうなるのかわからない。
でも、一度死んだなら、次の死に方は…。
『それに、ちゃんと知りたいんです、彼のこと』
「…これを持っていけ」
こっそりと渡されたのは、拳銃だった。
「護身用です。撃つことがないことを祈ります」
彼は、俺の元の職に気付いているのではないか。
普通一般人にこんなもの持たせないだろ。
でも、ある方が心強い。
『ありがとうございます』
これを彼に向けることがないのを祈りながらも、俺は逃げる人々の波に抗い、後方車両へ向かった。
・
1518人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時