【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

861話 紺青の拳 ページ12

エアガンと体術を駆使しながら展望デッキまで来たとき、園子を抱えた京極を見つけた。


だが彼は逃げる一方で、襲ってくる海賊に手を出そうとはしない。



こんな状況でも、レオンの言いつけを守っているのか。


右手首にはあのミサンガがまだ巻かれていた。




こうなったら、力づくでも引きちぎってやろうかと考えた時、キッドが飛んでいるのが視界に入った。


彼がトランプ銃を京極に向けたのを確認し、その意図を瞬時に読み取った。

コナンの策略だろうが、これが最後の奥の手だ。




銃口から飛び出したトランプは、京極へ向けて飛んでいき――…その右手首に巻かれたミサンガを切断した。




これで、レオンの呪縛から京極は解き放たれた。



今までため込んでいた力を爆発させるかのように、周りにいた海賊連中の体にその拳が見舞われる。


壁に海賊たちが体を打ち付ける鈍い音が響いた。





『…すげぇ』


目の当たりにしたその強さに思わず呟く。


この世界最強っていっても、過言ではないかもしれないな…。

闘気のような気迫が、京極の体を纏っているような気がした。




もうここは、彼に任せても大丈夫そうだ。



そう思っていると、ユージーンとリシが駆け付けてきた。





『おっと。これ以上は行かせないよ』


エアガンの銃口を向ければ、2人と周りの海賊たちは動きを止める。




『ここからは、男と男の勝負だ』


そう言った時、京極の前に現れたのはジャマルッディンだった。





本来ならば、空手トーナメントの決勝で戦うはずだった相手。
それをレオンは邪魔をした。

これ以上、邪魔はさせない。




向こうが少しでも攻撃をしようとしたら、すぐに撃つ。






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