【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

862話 紺青の拳 ページ13

互いに睨み合いが続いていた時、空からワイヤーが伸びてきて、ユージーンが持っていたアタッシュケースが奪われた。


奪った主は、もちろんあの怪盗だ。




「サンキュー！」


キッドはそれだけ言って飛び去って行く。



コナンを抱えていないということは、彼は蘭たちのもとへ向かったのだろう。




展望デッキでは園子を抱えながら京極とジャマルッディンの戦いが始まっていた。





「Kid took the jewel.Can you shoot him down?(キッドに宝石を奪われた。そっちから狙えないか？)」


ユージーンが無線で指示を出す。


おそらく観覧車の上にいる海賊たちにだろう。






『ふふ…』


だが、それもすべて狙い通りだ。


あまりにうまく事が進みすぎて、思わず笑いがこみあげてしまった。





「何がおかしいんだ！」


それが癇に障ったらしいリシが激昂する。





『ああ、ごめんごめん。あまりにも思い通り動いてくれるなぁって』

「なんだと…！」

『お前たちの敗因はひとつ。喧嘩を売る相手が悪かったんだよ』




キッドを敵に回したら、勝てるはずがない。
あの名探偵が一緒なら、なおのことだ。


日本語が分からなくても、俺の表情で何かを察したらしいユージーンが慌てて無線で今の指示を撤回しようとするが、時すでに遅し。


キッドに向けて放たれたロケット弾はマリーナベイに直撃した。




あいつのことだ。
自分のダミーかなんかを飛ばして狙わせたんだろう。


轟音と振動と共に照明が落ち、辺りは闇に包まれる。






『じゃ、おやすみ』


動揺するリシと海賊たちに向け、エアガンを放つ。

壁に背を打ち付けたやつらは気を失った。






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