755話 ページ6
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『あ』
廊下を歩いていると、向かいから安室先生が歩いてきた。
相変わらずの根暗な雰囲気を醸し出しているが。
『おはようございます、安室先生』
「お、はようございます…、黒瀬先生…」
か細い声でおどおど挨拶を返してくる安室先生。
生徒たちが登校してきているから、根暗な安室先生になりきるのはわかるが――笑いをこらえるのが難しい。
『今日、先生方が歓迎会をしてくださるようですよ。安室先生も行きますよね』
「あ…はい」
あまりからかうと、家に帰ってから怒られるよなぁ。
「黒瀬さん、おはよう」
『あ、快斗くん。おはよう』
「それから――げ、…あ、安室先生…おはようございます…」
安室先生に気付いた快斗が表情を引きつらせる。
「ちょっと快斗!黒瀬“先生”でしょ!何馴れ馴れしく挨拶してるのよ!」
快斗の隣には蘭にそっくりな女子生徒がいた。
『あれ、彼女いたんだ?』
俺の言葉に、快斗と女子生徒は顔を見合わせた後――…。
「彼女じゃない!」
「彼女じゃないです!」
同時にそう叫んだ。
「…こいつは青子。俺の…幼馴染だ」
「中森青子です!」
可愛らしい笑顔を浮かべる青子に笑みで返した。
そうか。
彼女が中森警部の…。
『快斗くんとは、前にたまたま知り合って。それから何度か、ね?』
零さんにもそれとなく俺と快斗の関係を伝えておく。
「そうだったんですね!言ってよ快斗!あの黒瀬さんと知り合いだったなんて!」
「オメーも先生つけてねぇじゃねぇか。それに、言いふらすもんでもねぇだろ…。お前騒ぐし」
「あっ、すみません…。まだ先生っていうより、芸能人の黒瀬さん…じゃなくて、先生のイメージが強くて…」
『いいよ、無理に先生つけなくて。それに、先生ってガラでもないしね』
そう言うと、青子はホッとしたように肩を落とした。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時