666話 紅の修学旅行 ページ17
・
朝食会場を出てロビーに向かうと、鞍知さんたちと鉢合わせた。
阿賀田さんは額に包帯を巻いている。
「あ、黒瀬さん、服部くん…。あの、実は少し話したいことがあるの」
鞍知さんは目を伏せてそう言ってきた。
『話?』
「ええ。…出栗くんのことなんだけど…」
ふとロビーの外に目をやると、ホテルの周辺にマスコミが大勢集まっていた。
西木さんが亡くなったことで、経緯を聞きに集まったんだろう。
「ここじゃあれだから、私達がお昼ご飯を予約していたお店に行こうかと思っているんだけど、一緒にどうかしら」
その誘いに、俺と服部は顔を見合わせる。
まぁ、元警察としては、事件解決を中途半端に放り出すわけにもいかないしな…。
『俺は構いませんが、服部くんはどうする?』
「もちろん行くで。あ、じゃあ、工藤に事情を話しておくわ」
服部は少し離れたところで新一に電話をかけ始めた。
『どこのお店に行くんですか?』
「ああ、中京区にある、先斗町の急山って店だよ。中々予約が取れない名店さ」
井隼さんの言葉に目を瞬かせる。
『…ぽんと町…?珍しい地名ですね。どういう字を書くんです?』
「確か…先っぽの“先”に北斗の“斗”で、先斗町だよ」
『へぇ…。京都の地名って難しくて、なかなか読むの難しいですね』
なんて話をしながら、何かが胸に引っかかった。
中京区…先斗町…。
…暗号の中には確か、反転した“先”の文字もあったよな…。
「工藤も店で合流するって言ってたわ」
電話を終えた服部が戻ってきた。
「じゃあ、私達も先に向かいましょうか」
俺達は先に、急山という店に向かった。
・
829人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時