670話 紅の修学旅行 ページ21
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「なるほど。盲点でしたなぁ…。表は人通りがあるやろ思て、裏口を固めてましたから」
すぐに警察を呼び、綾小路警部と鑑識によって現場検証が始められた。
「けど、なんで井隼さんは外に出たんや?部屋で大人しくしとけ言うたやろ」
「トイレだよ…」
阿賀田さんの言葉に、馬山さんが続ける。
「井隼と阿賀田と私の3人でトイレに向かったんだが、部屋に一人でいる景子ちゃんが心配だからって、井隼だけ途中で戻ったんだ」
「彼、戻る前にメールを見てたような気もするけど…」
「なるほど。ほんで、井隼さんはすぐに戻ってきはったんですか?」
綾小路警部の言葉に鞍知さんが首を横に振った。
「いえ、私も1人で部屋にいるのが怖くて…その後トイレに立ちましたから…。私が部屋を出た後で、戻ってきたのかもしれませんけど…」
「馬山さんたちは、どんぐらいトイレに行ってはったんですか?」
「トイレはすぐに出たんですが、帰り道に迷ってしまって…」
「ぼ…僕はお腹の調子が悪くてしばらくトイレに…」
アリバイがなさそうな3人の話を聞きながら、現場に残された手がかりを探す。
…この犬矢来の周り…何か妙な跡があるな…。
何かを被せていたような…。
それにこの足跡…。
『…ねぇ、世良さん。西木さんの部屋に残されていた天井の血と足跡って、本当に血だったの?』
昨日現場に残っていた世良に声をかける。
「いや、天井の血は、西木さんの血も付いていたけど、ほとんどが絵の具だったよ」
『ってことは…この足跡も血飛沫も、絵の具で描かれたものか…』
「遺体を見つける前に、あんさん達がここにおったときには、この跡はホンマにあらへんかったんですか?」
綾小路警部の言葉に、蘭が頷いた。
「ひょっとしたら、ウチら全員、狐さんに化かされてるんとちゃうやろか…」
紅葉さんの言葉に、蘭たちは顔を蒼白にさせる。
蘭はすぐに不安そうな表情を新一に向けた。
だが彼は真剣な表情で現場を見つめていた。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時