【名探偵コナン】異世界の訪問者12《男主》

578話 霊魂探偵殺害事件 ページ29

「開閉するスイッチは、業者に頼めば簡単に車のキーにつけてもらえる。そのボタンを押したままの状態でテープで固定し、ベランダから垂らした重りにつけておけば…布が落ちるのと同時に車の屋根が閉まり、奇妙な位置に止められた車だけが残る」



ベランダに身を隠していたときに、車の存在にも気づいていたんだろう。

でも…この推理力は並外れている。
今後の重要人物とみて間違いはない、か…。




「ちなみにこのトリックは改修工事が始まる午前9時丁度に私をこの部屋に入れなければ成立しない。9時1分前に自分の携帯が鳴るようにセットしたのはそのためだ」


あの時間調整はさすがに不審に映りすぎた。



「そうしておけば、ボーイがマスターキーで扉を開けるタイミングをコントロールできるからな。被害者からの助けを請うメールを1時間前に送信したのなら、おそらく殺害したのもその時間。地震が多いこの国で、何時間もこの塩のトリックを放置しておくわけにもいかんからな」

『だったら、彼の車の中にもまだあるはずですね。トリックの布や重りはもちろん…。堀田さんを殺害した凶器と…返り血まみれの服も』


そう言って古栗さんをみやると、顔面蒼白の彼は観念したように膝をついた。



「…ええ。血まみれの服も車のトランクにまだ入ってますよ…。妹の遺体を見世物にしやがったあの男に、天罰を下したナイフと一緒に…！」


殺害動機は、数年前山で自 殺した妹を巡るものだった。


当時遺体は見つからなかったが、堀田がテレビ番組で捜索中の人物とは別の死の匂いがすると言い出し、土の中から妹の遺体を発見。


古栗は、堀田が自分の霊力を信じ込ませるため、見つけた遺体を警察に通報せず、土に埋めたと主張した。




喚く古栗だったが、そんな彼には目もくれずコナンは寝室のベランダへ向かった。

止めようとした世良を制止し、俺もベランダへ向かう。



しかしもうそこには誰もおらず、蝶ネクタイ型変声機だけが残されていた。


ベランダを飛び移り、隣の部屋へ戻ったようだ。




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