567話 霊魂探偵殺害事件 ページ18
「なんだ!?今の音!何かが割れたような」
部屋の中に入って確認すると、テーブルの下でワイングラスと皿が割れていた。
「ワイングラスと皿か…。さっきまで誰かがワインを飲んでいたようだな」
ワインの赤紫色の液体も床に飛び散っている。
「で、その誰かは俺たちが入ってきたことに驚いて皿やグラスを落とし、零したワインを踏んで、奥の部屋に…」
奥の部屋へ続く床には、赤紫色の足跡が続いていた。
毛利さんは奥の部屋の扉を、意を決して開いた。
開けた先のベランダに、黒い人影が通り過ぎていったように見えた。
「今、ベランダから誰か逃げたぞ!?」
「でもここ4階だよ!?」
毛利さんとコナンがベランダに出るが、人影はない。
そもそも、人の気配なんてしなかった。
何かのトリックが働いたんだろうけど…。
「さてはベランダ伝いに、隣の部屋に逃げやがったな…!ワインのシミがついたスリッパも脱ぎ捨てられているし…」
毛利さんがボーイさんに、隣の403号室に誰かいるのか尋ねる。
これで、この気配の正体が誰か分かる。
「403号室は、一週間前から高校生くらいの少年が…」
高校生くらいの少年…?
新一に服部に快斗…、あと俺の知り合いで、高校生の少年なんていたか…?
「ねぇそれより、さっきから鳴ってるこの音って」
「下の階の改修工事の音だよ。うるさくて少し揺れるから、この周辺の部屋は割安になっているんだ」
部屋に入ったときから聞こえる音は工事の音か…。
「で、肝心の堀田凱人はどこに?」
『…ベッドだと思いますよ。少し膨らんでいますし』
ベランダがある部屋は寝室のようだ。
だが、おそらく彼は――…。
毛利さんがベッドの掛け布団を剥ぎ取ると、現れたのはやはり堀田の遺体だった。
胸にかけて出血が酷く、シーツまで赤黒く染まっている。
毛利さんは、古栗さんとボーイさんはここに残り警察を呼ぶように素早く指示する。
「俺は隣の部屋に行って来る。そのホテル暮らしのガキも、もう殺られちまってるかもしれねぇからな。黒瀬、お前も来い」
『分かりました』
毛利さんについて、コナンと共に隣の403号室に向かった。
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096 - さつまいもさん» ありがとうございます!頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年1月7日 11時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - そう言っていただけると有難いです…。最新話まで読ませていただいております。とても面白いです!寒い日が続いていますので、無理をしない程度で更新頑張ってください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: 13761fb567 (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» いえいえ!とんでもないです!私もまだまだ勉強中なので、おかしな点がありましたらまたご指摘いただけると幸いです! (2020年1月6日 15時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - 返信遅れまして大変申し訳ございません(^_^;)そうでしたか…やはり口を挟むような結果になってしまい、申し訳ないです。コナンの作品中に東京駅が出ていることは初めて知りました。新しいコナンウンチクが増えました。ありがとうございます(笑) (2020年1月6日 2時) (レス) id: d0e080215b (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» ご指摘ありがとうございます。架空都市として東都が使われているようですが、首都名は東京で正しいようです。実際コナンの作品中にも東京駅が出てきています。この辺ややこしくて、私も最初困惑しました(笑) (2019年12月30日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年10月4日 13時