27話 探偵たちの夜想曲 ページ28
「へぇ、コインロッカーの鍵ですか」
「ああ。先日亡くなった兄の遺品から、その鍵が出てきたらしいんだが、どこのロッカーの鍵だかわからねぇから、探して欲しいってわけだ。大事なもんなら、棺桶にいれて送りたいからってな」
どうやら依頼内容について話しているらしい。
「黒瀬くん」
『あ、はい』
テーブルを拭き終えると、店長に声をかけられた。
「だいぶ落ち着いたし、今日はもうあがっていいよ。物覚えも早くて助かったよ。ちょっと大目に入れておいたからね」
茶封筒に入れられた給料を差し出された。
『ありがとうございます』
「じゃあ、次はいつ来てくれても構わないから」
『はい。お疲れ様です』
一度バックヤードに引っ込み、エプロンを外す。
思ったより早く終わったし、これからどうしようか考えながら、店を出るために表に戻った。
「黒瀬さん、今日はもう終わりですか?」
帰ろうとする俺に気づいて、安室さんが声をかけてきた。
『え、はい』
「では、君も僕の助手として、同行してください」
同行してくれませんか?ではなく、確定系だ。
彼の探偵業の初同行。
この後予定もないし、なにより居候代が頭を過ぎり、俺は頷いた。
蘭の隣のソファ席に座り、コーヒーを頼んだ。
運ばれてきたコーヒーにミルクと砂糖をたっぷり入れ、少し冷めるのを待つ。
「やっぱり、黒瀬さんは子供舌ですね」
俺の一連の流れを見ていたらしい安室さんが向かいの席で笑う。
『うるさいですね…。人の好みはそれぞれなんだから、別にいいでしょう』
「今夜の食事は卵焼きと唐揚げにしますか?」
『それ、お弁当じゃないですか』
軽めに睨んでコーヒーを口にする。
嫌いなものは基本ないが、ブラックなどの苦いものは苦手だ。
「なんだなんだ、おめーら。新婚みたいな話しやがってよ」
『し…っ!?』
毛利さんの言葉に思わずコーヒーを吹き出しそうになった。
「ほんと、すごく仲良しになったんですね、二人とも」
隣で蘭がにこにこと嬉しそうに笑っている。
安室さんも気にした様子なく笑っていた。
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時