14話 ページ15
『…安室さん、俺は貴方を信用します。この恩を返すために、俺にできることはなんでもします。だからこれから、よろしくお願いします』
そう言って頭を下げた。
「…改まって畏まらないで下さい。でも、よろしくお願いします」
この笑顔が偽りだとしても、俺は自分の勘を信じる。
この人は、きっと大丈夫。
頭を上げて、合鍵を握り締めた。
・
「お風呂、先に入ってきてください。着替えは僕のを用意しておきますね」
『はい。ありがとうございます』
案内され、浴室へ向かった。
「それじゃあごゆっくり」
扉が閉められ、息を吐く。
脱衣所で服を脱ぎ、シャワーを頭から被りながら、浴室に設置された鏡を見つめる。
ちゃんと、自分自身の姿が映っている。
所々に古傷は残っているが、胸を貫いた鉛の痕は残ってはいなかった。
生きている。
『…なんのために』
俺は、この世界に来たのだろう。
ここで俺に、何ができるというのだ。
そういえば、この世界にも世界的な脅威となる悪の組織がいたな。
『…黒ずくめの組織』
工藤新一に薬を飲ませ、殺害しようとした。
結果的に子供の姿に変えただけだったが。
組織のメンバーのコードネームは皆酒の名前。
俺が知っているのは…。
『…ジン、ウォッカ…あと、ベルモット』
組織について俺が知っているのはこのくらいだ。
作品の内容を中途半端に知っているのはなんだかもどかしい。
全て知っていたとしても、これから起こる事件の数々にやきもきするだけかもしれないが。
とはいえ、話を変えてしまうのはまずい。
俺はこの世界ではイレギュラー。
あまりでしゃばらないようにしよう。
そう決めて、俺はばしゃばしゃと顔を洗った。
・
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時