隠キャ、カバディ部に入部します【井浦慶】 (ページ9)

今日:9 hit、昨日:24 hit、合計:24,535 hit

9:条件ページ9

井浦side

　数日前。

部長であり、幼馴染でもある、正人から連絡が来た。

それは、退院の報告と、練習試合、そして…宵越に続き、マネージャーを引き入れて欲しいというものだった。

井浦「マネージャーを引き入れるのはいいが…カバディに入るなんて言う女子、そうそういねぇぞ？」

王城『だから、それを慶にお願いしたいんだ。ウチの学校、部活が盛んでしょ？そんな中、部活に入ってない子に入ってもらいたんだ』

井浦「条件は？例えば、運動部経験者とか…」

王城『条件なんてない』

井浦「はぁ？いいのか、そんな曖昧で」

王城『いいんだよ。僕は変わり者が好きだからね』

確かに、ウチの部は個性強めな奴が多いけど…。

・

その後、俺は優等生の顔を使って、先生から部活に所属していない女子の名簿を手に入れた。

そして、水澄や伊達、畦道にも協力してもらって、女子に声をかけてもらった。

しかしほとんどが、興味ない、カバディなんてダサそう、男同士が気持ち悪い、という悪意のある言葉だらけ。

畦道が半端強引に連れて行こうとするものなら、悲鳴を上げられ、先生が駆けつけそうになった事もあった。

でもそんな中、カバディを拒絶しない奴がいた。

A「？、カバディ…？」

それが、Aだった。

いかにも大人しそうな雰囲気だが、感情が表に出やすい。

それに、1人を貫いている為か、他人にどう思われても何ともないのか、俺たちから逃げるという面白い行動をした。

それを見た時、俺は…コイツをウチに入れたいと思った。