隠キャ、カバディ部に入部します【井浦慶】 (ページ6)

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A「っ…」

男の人って、やっぱり手大きいんだなぁ…。

井浦「よしっ、じゃあそろそろ片付けにするか！」

井浦さんはみんなに指示を出すと、鞄から1枚の紙を渡して来た。

それは、仮入部の紙。

井浦「まずは、仮って事で」

嫌ですけど。

私はあからさまに嫌な顔をした。

畦道「おっ！A！カバディ部に入るんか！」

違います。

井浦「まぁまぁ、そんな嫌な顔をしないで。仮なんだから、好きな時に顔出せばいいし」

なら私は、一生来ないぞ。

井浦「なんなら毎日、教室に迎えに行ってもいいよ」

おい、言ってる事が矛盾してるぞ。

伊達「とりあえず、入ればいいんじゃないか？迷ってるなら、今度の練習試合を見て決めればいい」

練習試合？

伊達さんの言葉に、井浦さんは面白そうに笑った。

井浦「いいね、それ！じゃ、決まりで」

井浦さんは、再度、紙を受け取るように促す。

井浦「今は仮、でも練習試合で絶対君を入部させる」

A「あ…はい」

もういいよ、それで。

外はもう暗かった。

こんな遅くなるまで学校にいたのは、受験生以来だ。

やっと、1人になれる…そう思ったのに。

水澄「交流も含めて、みんなで帰るなんて、宵越の時を思い出すなぁ」

何故…。

畦道「なぁなぁ、Aは彼氏いるんべか？」

宵越「おい、いきなり何聞いてんだ」

そうだ、ハゲ。

これでも私は、レディだぞ。

A「…昔は、いた」

宵越「何！？」

私は携帯を取り出し、画面を見せた。

宵越「！？、…つ、ツンデレ彼氏…？」

私が言っている彼氏とは、ツンデレ彼氏という恋愛アプリである。

自分の選択次第で、最後のクライマックスが変わる。

しかし、残念な事に、私はハッピーエンドになった事がない。

畦道「へぇー、こんなのあんのか…。ん？でも、このキャラ、井浦先輩に似てるべ！」

は？

私は慌てて携帯を見た。

私が選択している彼氏＿＿＿西園寺。

黒髪で、前髪を分けていて、メガネ…。

井浦「？」

お前じゃねぇか…！